デンソー九州と九州工業大学の共同開発
株式会社デンソー九州と国立大学法人九州工業大学は、熱交換器の製造において外観検査業務の効率化を目指し、AIを活用した外観検査システムを共同で開発しました。この新しいシステムは、新設される製造ラインで実装され、検査工程における品質の安定性と作業効率の向上を目指しています。
背景と目的
デンソー九州は以前からAIを利用した生産プロセスの最適化に取り組んでおり、九州工業大学においてもAI技術の研究が重点的に進められています。両者の強みを結集した結果、実用性の高い外観検査AIが開発されました。
AI外観検査システムの特長
このシステムには、いくつかの優れた特長があります。
1.
高精度な欠陥検出: ディープラーニング技術を用いることで、人間の熟練検査員に匹敵する精度で、微細な傷や異物を迅速に検出します。
2.
柔軟な設計思想: 実装環境の制約に応じて推論条件を調整可能で、製造ラインの立ち上げに向けたデータ収集や検証作業の迅速化を実現します。
3.
自動化の促進: 検査業務を自動化することで、ラインの省力化や人員削減が見込まれています。
今後の取り組み
デンソー九州と九州工業大学は、今後以下の取り組みを進める予定です。
1.
マルチライン対応: 新設予定の製造ラインに実装し、さまざまな製品や工程に対応可能なAIモデルの開発に注力します。
2.
予兆保全の開発: 異常を早期に察知することで、設備保全や工程改善につながる予兆保全システムの開発に取り組みます。
3.
次世代人材育成: AIシステムを教材として使用し、大学の学生が実社会の課題に取り組む機会を提供します。
4.
地域企業との連携: 他業種や地域企業への技術の展開を進め、九州地域全体のDX推進に寄与します。
この共同研究では、情報工学研究院の知能情報工学研究系からも成果が活用されており、技術の社会実装が実証された好例です。これからも両者は、持続可能なものづくりを支える新技術の共創に貢献していく予定です。
お問い合わせ
本共同研究に関する問い合わせは、以下の通りです。
株式会社デンソー九州
九州工業大学
共同研究がもたらす影響は大きく、今後の展開に注目です。