CyCraftの研究成果がNeurIPS 2025に採択
台湾のサイバーセキュリティ企業、CyCraftは、同社のデータサイエンスチームによる論文が国際会議NeurIPS 2025に認められたことを発表しました。この会議は、機械学習や計算神経科学の分野で最も権威あるイベントの一つとして知られています。採択された論文のタイトルは、
『Beyond Oracle: Verifier-Supervision for Instruction Hierarchy in Reasoning and Instruction-Tuned LLMs』 です。
NeurIPS 2025とは
NeurIPSは、ニューラルネットワークやディープラーニング、自然言語処理など幅広いテーマについて扱う国際会議です。2025年の大会では、21,575件の論文が提出され、わずか25%未満が採択されるという厳しい競争が繰り広げられました。この会議は、技術の革新性を重視し、世界中の研究者によって注目されています。
研究背景
採択された論文は、大規模言語モデル(LLM)が様々な指示に対して正しく応答する能力を向上させるための新たなアプローチを提案しています。特に、現行の推論モデルにおいて生じやすい誤解を防ぐ手法を開発し、この研究が実用化されると、推論の過程における判断ミスが大幅に削減されることが期待されます。
技術の応用
この研究成果は、CyCraftが最近発表した生成AIガードレール製品『XecGuard』および、今後正式発表予定の生成AI向けセキュリティ評価サービス『XecART』にも活用されます。これにより、LLMアプリケーションに対して理論的に裏打ちされたセキュリティが提供されることになります。
XecGuard
XecGuardは、既存のAIアプリケーションに対して即座に導入可能なセキュリティモジュールです。これにより、プロンプトインジェクションやシステムプロンプトの漏洩といった脅威を防止できます。
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XecART
XecARTは、生成AIアプリケーション向けの包括的なセキュリティ評価サービスです。AIモデルの挙動を様々な攻撃シナリオでテストし、特にプロンプトインジェクションに関する防御能力を高められます。
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今後の展開
CyCraftは、本研究成果を基に生成AIセキュリティの実務応用に注力していくとともに、世界クラスのAI研究力を持つ企業としての地位を強化していく予定です。また、2025年10月10日には、CyCraftのCEOであるBenson Wuが東京大学で講演を行う予定です。この講演では、研究に基づく製品のコンセプトや今後の展望について語られる予定です。
まとめ
CyCraftの研究が国際的に認められたことは、同社がAI/ML分野でのリーダーシップを確立するための重要なステップです。これにより、取得した知見がさらなる技術革新につながることが期待されます。