アップサイクルの新たな潮流「EVER COLOR」
繊維商社のモリリン株式会社が提唱する「EVER COLOR」は、廃棄物や副産物から新たな色を生み出す、サステナブルなインクを開発するプロジェクトです。この取り組みは、環境意識が高まる中での大きな動きとして注目されています。特に、廃棄コーヒーやカカオハスク、沖縄県産のバタフライピーといった素材から抽出された色素が、各業界での応用可能性を広げています。
背景と進化の経緯
その始まりは2022年に遡ります。モリリンが、自社でコーヒーの廃棄物を利用したインク開発に取り組む中で、さらなる協力企業との連携を模索し始めました。そして、ファッションや文具、パッケージ印刷といった異業種とのコラボレーションを経て、従来のアパレル製品のみならず、幅広い用途に展開する基礎を築きました。
特に、横浜のクラフトチョコレート専門店「VANILLABEANS」との連携により、年間12トンものカカオハスクを資源として活用。この廃棄物を美しいブラウン系のインクに変える取り組みが、今後の新たな商品開発へと繋がっています。
また、株式会社バタフライピー研究所とのコラボレーションでは、沖縄県産のバタフライピーを利用し、鮮やかな青色のインクが開発されました。このように、日本の特産物を生かす動きが進行中です。
「EVER COLOR」の概要と目的
「EVER COLOR」とは、モリリンが進めるアップサイクルプロジェクト「Re LABO」の一環です。このプロジェクトが目指すのは、廃棄物から価値を見出し、循環型経済を実現すること。具体的には、素材を供給する企業、インクメーカー、印刷工場、そして製品化を目指すメーカーや小売企業を結び付け、新たな価値を創造することです。
プロジェクトの一環として、多くの分野での活用を視野に入れながら、環境意識を高める活動を展開しています。
今後の展望と期待される影響
「EVER COLOR」のインクは、ファッションだけにとどまらず、塗料、文具、パッケージ印刷など、あらゆる業界に広がっていく可能性を秘めています。各業界とのコラボレーションを通じて、環境に配慮したユニークな商品を開発する企業が増えることが予想されます。
また、近年注目されている「食品ロス削減」にも積極的に取り組む姿勢を示しており、一般社団法人食品ロスゼロテクノロジー協会にも参加。この連携により、社会問題としての食の問題解決に貢献していく強い意志を持っています。
結論
モリリンが推進する「EVER COLOR」は、従来の枠にとらわれない新たなアップサイクルの形として、今後の展開に期待がかかります。色とりどりの環境に優しいインクが、私たちの生活環境を彩る日も近いかもしれません。今後も持続可能な未来を創造するための取り組みに、引き続き注目していきたいと思います。