子どもたちのサッカー環境を考える調査報告が示した現実
認定NPO法人love.futbol Japanが実施した最新調査は、子どもたちがサッカーを行う際の経済的背景や機会格差の実情を浮き彫りにしました。今年の春に支援した363世帯を対象に行われたこの調査では、65%が子どものサッカーを「習い事」と捉えていることがわかりました。また、93%の子どもがサッカーを「大切な居場所」と認識しており、その理由の一つとして「応援される経験」が挙げられています。
この調査は、子どもたちが直面する貧困や社会的条件がサッカーをする機会にどのように影響を与えているのかを理解するために毎年実施され、今年で5回目となりました。特に多くの家庭では、サッカーを行うために食費を削るという厳しい選択をしていることが明らかとなり、60%の世帯がこのような状況にあると回答しています。
サッカーにかかる費用は、特に経済的に困難な家庭にとって大きな負担であり、27%の世帯が所属チームの遠征や合宿に参加できていないという声も寄せられました。さらには、58%の世帯が、サッカーのために返済を伴う借り入れを行ったと報告し、経済的なプレッシャーが子どもたちの活動に大きな影響を与えていることが窺えます。
子どもたち自身の意見も重要です。過去3年間にわたる調査から、38%の子どもが「家計を心配してサッカーをやめたい」と家族に話した経験があるという結果も出ています。しかし、54%の世帯は、相談相手がいないために情報を共有できないと回答しており、これは深刻な問題となっています。また、60%の世帯が家庭の経済状況を子どもに伝えており、中には「諦めさせる」意図で話しているケースもあるという現実があります。
このような厳しい状況にもかかわらず、100%の世帯が今後もサポートを希望していると回答したことは、大きな意義があります。これまでの支援活動によって、love.futbol Japanは2400万円以上の奨励金を提供し、約2100人の子どもたちをサポートしてきました。
調査結果からは、子どもたちがサッカーを通じて培う非認知的な能力の向上が確認されています。特に、「最後まで諦めない力」や「仲間を大切にする力」が評価されている一方で、自信を持つことや前向きでいることが不足しているといった課題も浮き彫りになりました。これは、サッカーが単にスポーツであるだけでなく、心の成長にも寄与していることを示しています。
当調査の結果をもとに、love.futbol Japanは日本のスポーツ界とのコミュニケーションを深め、子どもたちの体育格差の問題解決に向けた方策を模索し続けます。子どもたちがフィールドで活躍できる環境を整えるためには、一人一人の協力が不可欠です。
私たちが目指すのは、すべての子どもたちがサッカーを楽しむ機会を持つこと。そして、サッカーを通じて彼らの自信や友人関係、社会的なつながりを育むことができる未来です。これからもlove.futbol Japanは多方面からの支援を期待しています。今回の調査報告書は、さらなる理解を深めるインスピレーションとなることでしょう。
詳細な調査結果は
こちらから確認できます。