新技術ワンバインドクロス
2025-10-08 10:55:01

竜ヶ森トンネル補強工事に新技術「ワンバインドクロス」を初適用!

はじめに



竜ヶ森トンネルは、1982年に供用開始されて以来、岩手県八幡平市を通る東北自動車道の重要なインフラとして多くのトンネルの中で活躍してきました。近年、経年劣化が進行し、補強が急務となる中、大林組は新たな工法「ワンバインドクロス」を開発し、初めてこのトンネル補強工事に適用しました。

補強工事の背景



日本国内では高度経済成長期以降に整備されたインフラが老朽化し、特にトンネルや橋梁の補強工事が全国的な課題となっています。2040年までに多くが50年以上経過する見込みであり、その修復や補強を迅速に行うことが求められています。トンネル補強工事では、従来の炭素繊維シート接着工法が良く利用されますが、その工程が非常に多く、効率化が求められていました。

ワンバインドクロスの特徴



「ワンバインドクロス」は、エポキシ樹脂で炭素繊維シートを覆工コンクリートの表面に接着する新しい工法です。従来の工法では、炭素繊維シートを1層で200g/m2の目付量で貼り付けるため、2層に増やす必要がありましたが、ワンバインドクロスを適用することによって、2方向に炭素繊維を織り込んだシートを使用し、1層で従来の2層分に相当する強度を確保しました。この工法により、施工の効率が飛躍的に向上しました。

特に注目すべきは、シートの幅を1,000mmに広げることで、作業回数が減り、所要工程も従来の11から8へと短縮される点です。この結果、補強作業の総工程を約20%削減する効果が期待されています。

補強工事の施工状況



現在、竜ヶ森トンネルでは補強工事が進行中で、ひび割れや劣化部分に対して炭素繊維シートが貼り付けられています。大林組は、施工効率をさらに高めるため、トラック積載型のシステム足場「フラップリフト」を導入しました。このシステムにより、従来に比べて施工効率が約2倍に向上しました。

今後の展望



この新しい工法の成功を受け、今後はトンネルに限らず、橋梁や建築構造物の補強にも「ワンバインドクロス」を適用し、さらなる高強度化と適用範囲の拡大を目指しています。大林組はこの技術を積極的に提案し、インフラの長寿命化に貢献する意向です。

結論



竜ヶ森トンネル補強工事における新技術「ワンバインドクロス」の導入は、インフラ補強の効率化と品質向上を実現し、今後の社会インフラの持続可能性に寄与する重要なステップとなります。この新たな技術がさらなる補強工事に波及し、日本のインフラ整備に貢献することを期待しています。


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会社情報

会社名
株式会社大林組
住所
東京都港区港南2-15-2品川インターシティB棟
電話番号

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