電気業界の新たな人材育成プログラム
電気設備業界における人材確保が大きな課題となっている中、サオマイジャパン株式会社と学校法人穴吹学園が連携し、外国人留学生を対象とした「電気技術者奨学金制度」の第3期をスタートしました。この制度は、日本で働きたいと考える外国人留学生に学業や就職の支援を行い、業界の活性化を目指しています。
電気技術者奨学金制度の目的
「電気技術者奨学金制度」は、もともと日本の電気業界での人手不足を解消するために策定されたものであり、2022年からスタートしました。この制度に参加する留学生たちは、2026年3月に卒業を予定しており、全員が日本の電気設備業界での就職を目指しています。奨学生は、学業を続ける傍ら、業界必須の資格である「第二種電気工事士」と「日本語能力検定(N2)」の取得を目指しています。
企業と留学生のマッチング
奨学金を提供する企業は、留学生の学費に相当する60万円を支援し、経済的な負担を軽減することができます。この負担軽減は、留学生が安心して学業に専念できる環境を作り出します。さらには、留学生が卒業後に奨学金提供企業への就職を果たすため、企業側も優れた人材を獲得できるというメリットがあります。
加えて、サオマイジャパンは、企業の社風に合った留学生を選抜し、マッチングの精度を高めることによって、入社後の人材の定着率を向上させる取り組みを行っています。これにより、企業と留学生の両者にとってwin-winの関係を築くことが可能となります。
現状と背景
日本の電気業界は高齢化が進んでおり、55歳以上の労働者が約4割を占める一方で、29歳以下の若手就労者は1割以下です。また、若年人口の減少に伴い、日本人学生の数も減少しています。2034年には全国の18歳人口が100万人を割り込むとの予測が出ており、今後も若手人材の確保が難しくなっていくことが見込まれています。
一方で、日本国内で学ぶ外国人留学生数は増加しており、2023年の時点で約28万人に達しています。彼らの中でも、日本での就職を希望する割合は9割以上という高い数字を示しています。これらの背景から、外国人留学生を奨学金制度で支援し、彼らを業界に迎え入れることが急務となっています。
選考基準と奨学金の内容
奨学金制度に参加する留学生は、国際ITエンジニア学科に在籍する18名であり、ネパールや中国、フィリピン、ベトナム、キルギスの出身者が含まれています。選考基準は、JLPT N3相当の日本語能力と95%の講義出席率が求められます。
奨学金の具体的な内容は、無利子貸与型で、学費に充当されます。企業が支援を行うことで、学生が安心して日本で学び、成長できる環境を提供することが目的です。
最後に
サオマイジャパン株式会社と学校法人穴吹学園は今後も連携を深め、電気設備業界でのキャリアを希望する留学生の育成と就職機会の創出に努めていきます。この取り組みは、電気設備の品質確保と機能維持を支え、社会全体の発展に寄与するものとなるでしょう。