2023年度外食と中食の市場動向を徹底分析!コロナを経た日本の食文化の変化
株式会社リクルートが実施した「外食市場調査」に基づいて、2023年度の外食と中食の動向についてまとめます。調査対象は首都圏、関西圏、東海圏に住む20〜69歳の男女です。ここでは、外食市場の総規模や消費傾向、性年代別の実態を中心に掘り下げます。
外食市場の規模と回復状況
2023年度の外食市場規模は、約3兆4482億円と推測され、昨年度と比べて12.8%増加しています。ただし、コロナ前の2018年度比では16.6%の減少となっており、依然として十分な回復には至っていないことが明らかです。この点から、外食産業の厳しい現実が浮かび上がります。
外食頻度の増加
外食を行う人の割合は67.8%と、昨年よりも3.6ポイント増加しました。外食実施者の月の回数は約3.79回で、単価も前年度比で5.1%の上昇を示し、2828円となっています。これは、消費者の経済活動が活発化していることを示唆しています。特に、居酒屋業態は市場規模が18.5%増加し、回数シェアも着実に拡大しています。
中食市場の動向
一方、中食市場は2023年度において1兆4087億円で、前年度比で2.4%減少しました。このデータは、外出や外食が再び増加する中で、家庭での食事が減少していることを示すものです。特に、20歳代の女性の中食購入回数は11.8%減少し、その傾向が如実に表れています。
性年代別の消費行動
性年代別では、外食市場の回復が進んでいるのは50代女性で、2.7%の増加が見られました。一方、60代男性や60代女性の回復は厳しく、それぞれ29.7%と30.4%の減少でした。この結果から、高齢層の消費パターンの変化も伺えます。
終わりに
調査から明らかになったのは、コロナ禍を経て外食産業は徐々に回復しているものの、各年齢層によってその回復度合いが異なることです。今後の市場動向には、高齢者層の消費刺激策が重要な課題となるでしょう。
これらのデータは日本の食文化が変化していることを示唆しており、今後の動向にも注視が必要です。この調査結果は、外食産業や中食産業に関わるビジネス戦略の見直しを促す材料となるでしょう。