イケアと大学が共同で進める「子ども室プロジェクト」の研究成果とは

イケア・ジャパンと大学の産学連携研究「子ども室プロジェクト」



イケア・ジャパン株式会社は、東京電機大学、日本大学理工学部、芝浦工業大学との産学連携プロジェクト「子ども室プロジェクト」を2010年9月より開始しました。このプロジェクトは、子どもたちが快適に過ごせる空間を考えるために進められています。最近、東京電機大学の北千住新キャンパスでその研究の途中経過報告会が開催されました。

研究の背景と目的



子どもの生活環境は、現代社会において様々な課題を抱えています。特に、住環境においては子どもが快適に過ごせる空間が十分に整っていないとされ、そのための改善が求められています。児童期は心身の成長が著しい時期であり、さまざまな環境要因に影響を受けます。このプロジェクトでは、特に小学生を対象に、彼らが安心して過ごせる「子ども室」の設計や活用方法を探求しています。

研究内容の概要



本プロジェクトは、各大学の特色を生かしながら研究が進められています。具体的には、東京電機大学では感性工学の視点から「空間演出デザイン」を、日本大学では建築学の観点から「子ども室の位置づけ」を、芝浦工業大学では建築計画学と建築人類学的視点から「居住空間における子どもの在り方」をテーマに、それぞれの研究が展開されています。

主な研究活動


1. 文献調査 - 歴史的視点から子ども室の誕生を探ります。
2. アンケート調査 - 中学生、高校生、大学生への調査を行い、子ども室に対する認識を分析。
3. 住まいの調査 - 建築家やハウジングメーカーがデザインした住空間を調査。
4. 物の調査 - 子ども室にある物の分析を行います。
5. ワークショップ - 子ども自身と大人が協力して子ども室を作るプロセスを体験。

研究結果から見えてきたこと



研究が進む中で、子ども室に対する大人と子どもの考え方には明確な違いが見えてきました。大人は主に勉強や睡眠のための空間を中心に考える傾向が強く、通常は机とベッドを整然と配置します。一方、子どもたちは自分の好みや生活スタイルを反映させた配置を望み、例えば大きなテーブルを部屋の中心に置くなど、自由な発想を持っていることがわかりました。

また、子ども室の広さについても注目されました。研究の結果、子ども部屋が広すぎても快適とは限らず、年齢に応じた適切なスペースの大切さが明らかになりました。特に低学年の子どもにとっては、広い部屋は逆に落ち着きを欠くこともあるようです。

さらに、子ども自身が設計に関与した部屋での滞在時には、集中力や落ち着きを高める傾向が見られ、子どもの自主性や意見を考慮に入れることの重要性が確認されました。

未来の展望



この「子ども室プロジェクト」は、子どもたちが快適で自分らしい空間を持つための大きな一歩です。今後も研究は続いていき、より具体的な提案や結論が導かれることが期待されています。子どもたちの視点を重視し、「子どもに優しい空間」の実現に向けた取り組みが、社会全体にも良い影響を与えることに繋がるでしょう。社会として、子どもたちが安心して成長できる環境を整えることが急務と言えます。

会社情報

会社名
イケア・ジャパン株式会社
住所
千葉県船橋市浜町2-3-30
電話番号

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