季節感を楽しむ日本料理の先付と付き出しの魅力に迫る

日本料理の先付と付き出しの極意

日本料理における先付や付き出しとは、単なる前菜ではなく、料理の物語を語るかのような重要な役割を担っています。東京・銀座の名店「銀座小十」の主人、奥田透氏がその真髄を解説した初のレシピ集『銀座小十の先付・付き出し一〇一品』がまもなく発売されます。この書籍では、奥田氏が手がけた数々の先付と付き出しを写真と共に紹介し、料理人にとっての日常的な悩みである献立のスタート地点を掘り下げています。

先付と付き出しの重要性

献立の幕開けとして位置づけられる先付や付き出しは、料理全体の印象を決定づける重要な要素です。奥田氏は述べる、「料理人なら、これらについて悩むことは当然のことだ。悩まないような料理人であれば、その献立には何か欠けている」と。この言葉には、料理への深い愛情と責任感が表れています。実際、彼の料理は常に進化を続け、その季節感は見る者の心を掴む力を持っています。

書籍内のこだわり

本書の中では、各1品ずつの先付と付き出しを詳細に紹介しています。八寸のあしらいや季節感の表現、さらに料理の構成に至るまで、奥田氏のエスプリやインスピレーションが詰まっています。美しい盛り付けや彩りに加え、味わいの調和を追求した料理は、ひと口食べるだけでその魅力に引き込まれることでしょう。

奥田透のプロフィール

奥田透氏は1969年に静岡県に生まれ、日本料理を約10年にわたり学びました。29歳で静岡に店舗をオープンし、その後は東京に進出、「銀座小十」や「OKUDA」など名店を展開。特に彼の目指すのは、国内外で本物の日本料理を体験できることです。数々の著書も手がけており、そのいずれもが日本料理の新たな視点を提供しています。