富士フイルムシステムサービスが新たに実習支援システムを導入
富士フイルムシステムサービス株式会社が、助産師と医療事務の養成校向けに、現場実習の際に必要な円滑なコミュニケーションを支援する新しい実習支援システムを4月1日から正式に提供開始しました。このシステムは「臨地実習(助産師)支援システム」と「医療事務実習支援システム」の2つから構成されています。
現場実習の課題
養成校では、学生が医学的な実践力を身につけるために医療施設での現場実習を行っています。しかし、従来の方法では学生は手書きの実習日誌に学びの内容を記録し、教員や実習先の指導者がその日誌にコメントを書き込むというアナログな運用が行われていました。このため、教員は実習中の学生一人一人の学習状況をリアルタイムで把握することが困難で、必要なサポートをタイムリーに行うことができないという大きな課題がありました。
特に助産師養成においては、遠方の実習先での学習が多いため、学生とのコミュニケーションが難しくなります。また、医療事務の養成においては、学生が多様な業務を迅速に習得する必要があるため、教員からの的確なフォローアップが求められています。
本実習支援システムの特徴
新たに導入された実習支援システムは、学生が実習の記録をオンラインで行い、教員や指導者がその実習状況を確認、コメントを追加し、評価を行う工程をすべてウェブ上で完結するものです。これにより、教員は学生の実習状況を即座に把握でき、的確なフィードバックを提供することが可能になります。
また、教員や実習先の指導者は、時間や場所に縛られることなく、実習日誌に書き込むことができるため、指導の負担が大いに軽減されます。さらに、複数の指導者から成るチームがいる場合には、他の指導者の実習状況を参照しながら連携を図ることで、学生一人一人に合った指導を迅速に行うこともできます。
導入の背景と成果
富士フイルムシステムサービスは、これまでに220校を超える養成校に実習支援システムを提供してきた実績があります。これにより、薬剤師養成校では全国の約9割の大学に導入され、年間約10,000人の学生が利用しています。本システムも、これまでに得た知見を活かして開発されており、実習に必要な作業時間の短縮が期待されます。
具体的には、学生による実習日誌への記入に毎日約1時間かかっていたのが約30分に短縮されることが見込まれています。また、実習先の指導者へのコメント記入も従来の約30分から約10分にまで短縮され、約7割の時間を節約することが可能となります。
未来への貢献
富士フイルムシステムサービスは、高齢化社会におけるコメディカル領域の人材育成の重要性を認識し、この新しい実習支援システムの提供を通じて、医療分野での人材育成に寄与することを目指しています。実習時の学習効果を向上させるためのサポートを行い、社会全体の課題解決に向けて貢献していく方針です。
このように、富士フイルムシステムサービスが新たに導入する実習支援システムは、学生、教員、指導者のすべてにとって、より良い学びと支援の環境を提供するものとなることでしょう。