双極症の最新研究
2025-09-02 10:33:19

双極症に関する新たな発見:視床室傍核の病変とタウ蛋白の相関

双極症における脳の新しい見解



はじめに


双極症は、気分が極端に変動する精神疾患として知られています。この度、順天堂大学と東京都立松沢病院の研究チームが、双極症の脳に関する重要な発見を発表しました。特に、視床室傍核と呼ばれる脳の一部での顆粒空胞変性とタウ蛋白の蓄積が、双極症の病態解明に向けた鍵となる可能性があります。これまで、双極症は主に精神的な要因とされてきましたが、今回の研究結果は脳の構造変化が関連していることを示唆しています。

研究の背景


双極症は、急激な気分の変動が特徴で、思春期や青年期に発症することが多い疾患です。これまでの研究では、双極症患者の脳に関連する生理的変化が指摘されてきましたが、具体的な病理学的所見は限られていました。研究チームは、この現象を詳しく調べるため、動物モデルを用いて検証を行いました。

視床室傍核と顆粒空胞変性


加藤忠史教授らの研究によると、双極症患者の死後脳において、視床室傍核に顆粒空胞変性が観察されることが明らかになりました。この顆粒空胞変性は、アルツハイマー病患者の脳でも見られる特徴的な病変で、神経細胞の変性を示すものです。研究チームは、双極症患者9名のうち5名でこの病変が確認され、対照群に比べ重要な差が見られました。

タウ蛋白の蓄積


また、側頭葉内側部におけるタウ病変の蓄積も確認され、双極症患者では39.1%にタウの変化が見受けられました。これは、アルツハイマー病に関与するタウ病変として知られていますが、双極症患者の病変は必ずしもアミロイド病変を伴わないことから、特異な現象であることが示唆されています。

今後の展望


研究者たちは、この成果をもとに将来的に新たな診断法や治療法が開発されることを期待しています。双極症はただの精神疾患ではなく、脳の異常による病である可能性が高いことが示され、双極症の理解がさらに深まることが望まれます。この研究は、精神疾患の分野における新たなブレークスルーとして、心理療法や社会的な支援プログラムの発展に寄与することが期待されています。

研究成果の意義


本研究の発表は、精神疾患の理解を再定義する可能性を秘めています。特に、双極症が脳の物理的変化と関連していることが明らかになることで、患者に対する治療アプローチが大きく変わるかもしれません。今後の研究動向に目が離せません。

結論


双極症における視床室傍核の顆粒空胞変性とタウ病理の発見は、精神疾患の研究において重要な意義を持つ成果です。このことが今後の治療法の開発や、双極症への理解を深めるための新しい手がかりにつながることを期待します。今後の研究結果にも注目しましょう。



画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
学校法人 順天堂
住所
東京都文京区本郷2-1-1
電話番号
03-3813-3111

関連リンク

サードペディア百科事典: 東京都 双極症 視床室傍核 タウ病理

Wiki3: 東京都 双極症 視床室傍核 タウ病理

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。