既卒獣医師の転職意向と職場環境:2025年調査結果
A'alda Japan株式会社の子会社、A’alda Y株式会社が運営する「パンダキャリア」の調査によると、既卒獣医師の約27%が1年以内の転職を希望していることが明らかになりました。この調査は、全国の動物病院で働く既卒獣医師26名を対象に行われ、彼らの転職志向や職場選びの要因を探るものです。
調査の背景と目的
この調査は、動物病院の採用活動を支援するために、既卒獣医師の就業実態を明らかにすることを目的としています。特に新卒獣医師の初年度調査や動物看護師の調査に続く形で行われたシリーズ第3弾です。調査の対象となった獣医師の多くは、中堅層(臨床経験2〜5年)であり、動物病院の中核を形成する人材層の実情を反映しています。
転職意向とその要因
調査の結果、既卒獣医師の36.9%が現在の職場で3年未満、または1年以内に転職を考えていることがわかりました。特に「人間関係」と「経験を多く積める点」が職場選びの決め手として上位を占めており、それぞれ53.8%、46.2%と高い数値を記録しました。一方で、最も多くの不満が寄せられたのは「給与・待遇」で53.8%に達し、業務量も42.3%が不満を抱いています。このことから、現職を選ぶ際の環境の重要性が浮き彫りになっています。
正確な評価とその動向
総合満足度は50.0%であり、特に「どちらとも言えない」という回答が38.5%を占める結果となりました。これは、現在の職場に対する評価が分かれる、いわゆる中間層の存在を示しています。この層は、キャリアパスや処遇改善次第で定着にも転職にも大きく振れる可能性を秘めています。
年収の現状
平均年収は462万円、中央値は470万円で、301〜500万円の層が全体の69.2%を占めています。新卒獣医師の初任給と比較しても着実にステップアップしている現状ですが、業界全体においてこの年収がどの程度競争力を持っているかも重要な位置を占めています。
キャリアの志向
キャリアについては、73.1%が「勤務医」を望む一方で、34.6%が「開業」、30.8%が「分院長」を希望しています。「分院長」のポジションを明確にし、開業や専門医資格取得支援を行うことで、既卒獣医師にとって魅力的な職場になるかもしれません。
スキルの実態
手術に関しては、去勢や避妊といった基本的な執刀は約8割の獣医師が一人で対応可能で、高度な技術を要する手術も一定数が行えます。このように、臨床経験を積んでいる獣医師は即戦力として現場での貢献が期待されますが、同時にスキルに応じた教育やマッチングが必要です。
採用担当者への示唆
今回の調査結果から、動物病院の採用にあたる際には、いくつかの重要なポイントが浮かび上がります。人間関係、経験値の向上、キャリアパスを前面に出しておくことが、優秀な獣医師の確保に寄与するでしょう。また、給与水準や業務量の見直しをさらに行うことで、定着戦略を強化することが求められます。特に「どちらとも言えない層」をターゲットにしたアプローチがカギとなるでしょう。
結論
調査の結果から、既卒獣医師は「人間関係に重きを置いて仕事を選び、給与の不満に悩み、キャリアに関して考慮して動いている」ことがわかります。今後、動物病院はこれらの要因を考慮した取り組みを進めていく必要があります。