沖縄美ら海水族館で新たな発見
沖縄美ら海水族館が、世界で初めて「タスキサクラダイ」を生体展示しました。この新種は、日本初記録とされるサクラダイ属の魚で、高知大学との共同調査によって発見されました。これまでの記録はオーストラリアやインドネシア、台湾からのもののみでしたが、今回沖縄本島近海の深海で採集されたことから、その生態がどのようなものか、新たな理解が期待されています。
「タスキサクラダイ」ってどんな魚?
タスキサクラダイは、全長約15センチメートルのハナダイ科に属し、特にその体側に見られる斜めの黄色い帯模様が特徴です。この模様は「襷(たすき)」を思わせることから和名が付けられ、「タスキサクラダイ」と命名されました。飼育下では、体色の濃淡が変化する様子も観察されるなど、興味深い生態を持つ魚です。
深海調査の成果
沖縄美ら海水族館は、2019年から2023年にかけて沖縄本島沖の水深約130~200メートルで深海生物調査を行い、複数のサクラダイ属の魚類を採集しました。高知大学理工学部海洋生物学研究室と協力して詳細な調査を進めた結果、これまで未報告だった本種が新しい記録種であることが明らかになりました。
この研究成果は、学術誌「Ichthy, Natural History of Fishes of Japan」にも報告され、今後の研究の発展が期待されます。また、展示は「深海の小さな生き物」コーナーで行われており、現在は3個体が観察可能です。
沖縄美ら海水族館の役割
沖縄美ら海水族館は、持続可能な観光や地域振興を推進するため、沖縄の生物多様性を再現するコンセプトを掲げています。南西諸島や黒潮の生態系を展示し、その知識を次世代に継承することを目的としています。希少生物の研究や保全にも力を入れており、高品質な教育の機会を提供しています。
まとめ
今回のタスキサクラダイの生体展示は、沖縄美ら海水族館の取り組みの一環で、海洋生物へ関する理解を深める貴重な機会となります。未来に向けて、さらなる海洋生物の生態研究が期待されており、訪れる際はぜひ、深海の美しい世界を体感してみてください。詳細については、公式ウェブサイトもご確認ください。