武蔵野美術大学が新たな教育プログラムを開始
東京都小平市にある武蔵野美術大学が文部科学省の「リカレント教育エコシステム構築支援事業」に採択され、社会課題解決に向けた新たな取り組みを開始しました。この事業は、企業や自治体と連携し、社会問題をデザインで解決する教育プログラムの展開を目指しています。
リカレント教育とその目的
リカレント教育とは、成人が生涯にわたり学び続けるための教育システムを指します。本学では、特に「社会課題とビジネスをデザインでつなぐ」というテーマのもと、産学協働体制を構築することを目指しています。この新たな教育プログラムで、社会人が「創造的思考力」を身につけることが期待されています。
VCP Schoolの概要
本事業の中心にあるのが「VCP School(Value Creation Program)」です。これは美術・デザインの学びを通じて、社会に貢献するためのスキルを身につける履修証明プログラムで、2022年度から開始しています。このプログラムにより、学生だけでなく社会人も対象とした新しい価値の創出が期待されています。
目指す人材育成
武蔵野美術大学が目指すのは、「美術大学にしかできない人材育成」です。ここでは、従来の価値観から脱却し、新しい視点から社会に問いを投げかける力、多様な意見を統合して自分の考えを再構築する視点、そして直感的に感じた価値を論理的に整理して他者と共有する力が重要視されています。これにより、社会との接点をより深める人材を育成します。
教育プログラムの特長
本事業では、企業や自治体等の経営層に向けたアート思考を基盤としたデザイン経営教育や、高度なデザイン人材の育成プログラムを実施します。これにより、次世代リーダーを育成し、オープンイノベーション型の研究機構を構築することが目指されています。また、新規事業開発者や幹部候補対象の課題発見・解決プログラムも開発中です。
未来への挑戦
このような取り組みを通じて、企業や自治体との協働を深めつつリカレント教育の成果を一般に広め、すべての人が学び続けられる社会を実現することが武蔵野美術大学の目指すところです。来たるべき100周年に向けて、美術大学としての「研究」の確立も視野に入れています。
ソーシャルクリエイティブ研究所
最後に、本学に設立された「ソーシャルクリエイティブ研究所」について紹介します。この研究所は、社会問題の解決や新しい人類価値の創出を目指し、さまざまな領域を横断的に研究提案しています。局所的な課題から普遍的な問題まで、幅広く対応する体制を整えています。
この新しい事業を通じて、武蔵野美術大学は未来の社会に向けた重要な役割を果たすことが期待されています。