帆船型ドローンの成功テスト
2020-06-11 14:30:02

エバーブルーテクノロジーズが成功した全長2m級帆船型ドローン「Type-A」の自律航行テスト

エバーブルーテクノロジーズ、帆船型ドローン「Type-A」の実証テスト成功



エバーブルーテクノロジーズ株式会社が開発した帆船型ドローン「Type-A」が、神奈川県逗子市の逗子海岸で自律航行テストに成功しました。このドローンは、全長約2メートルで、漁業支援や海洋探査を目的とした新しいモデルとして設計されています。出発地点から半径5メートルの範囲内に設定した経由地を自動で経由しながら、帆走と補助モーターを使用して自律的に戻る能力を持っています。この試験において、Type-Aは非常に好成績を収め、実用化に向けての期待を高めています。

漁業支援と海洋調査への応用



この実証テストの成果は、今後の漁業分野への応用が見込まれています。自動モニタリング機能を使うことで、魚群の状況を無人で監視することが可能なため、漁業従事者の労働力不足問題の解決に寄与することが目指されています。また、海洋調査では水温や潮流のセンサーを搭載して無人調査を実施する技術を開発参考にしており、量産型の開発も計画しています。

実証実験で確認された航行能力により、Type-Aが離島や半島間の輸送にも適していることも明らかになりました。そのため、2人から6人乗りの無人自動帆船海上タクシーの計画も進められています。

環境問題への配慮



エバーブルーテクノロジーズのミッションは、地球温暖化ガスの抑制と持続可能な社会の実現です。海上産業においても、内燃機関からの脱却を目指すこの技術は、風の力を動力源とするため、運用コストを大幅に削減します。特に日本のように多くの島々を持つ国では、コストを抑えつつやむを得ず廃航路となった地域の航路を復活させる機会が広がります。

エバーブルーテクノロジーズでは、従来の動力船の代わりにこのような自動操船技術を導入し、再生可能エネルギーの利用を促進することで、温暖化対策に貢献しようとしています。いずれは、波力や潮流などを活用したエネルギーで水素を製造し、自動的に運搬できるサプライチェーンの構築を目指しています。

開発の革新性



Type-Aの設計には、アメリカズカップのレース艇を手がけたデザイナーや現役カーデザイナー、3Dモデラーなど、さまざまな専門家が集っています。この多様なメンバーによる革新的なアプローチが、これまでのヨットの限界を超えた独自な設計を生み出しています。また、船体の製造には大型3Dプリンタを使用し、製造コストや期間の短縮を実現。さらに、通信と遠隔制御のために、4G/3G回線とクラウドサービスを利用することで、リアルタイム監視や自律航行が可能な技術を確立しました。

具体的な活用シーン



実際の漁場での試験運用を通じて、Type-Aは魚群探索や捕獲の効率化を支援しています。スマートフォンでリアルタイムの情報を確認しながら、無人で指定したポイントへ航行し、魚群の状況を観察できます。このプロセスは、従来の方法と比較して時間とコストの削減を可能にし、漁業経営の効率化に寄与します。

また、観光客向けの航路として、2人から6人用の自動海上タクシーも開発中で、プライバシーを確保した快適な体験を提供することを目指しています。これにより、海上交通の新たな利用方法を生み出し、地域の観光振興にも繋がるでしょう。

今後の展望



エバーブルーテクノロジーズは、将来的にカーボンフリーな社会を目指し、海南の自動航行ヨットの製造とサービス提供を進めています。また、海における水素エネルギーの活用を通じて、持続可能な未来に向けた新たなビジョンを描いています。自動操船の帆船型ドローンがもたらす新しい海の風景を期待して待ちましょう。

会社情報

会社名
エバーブルテクノロジーズ株式会社
住所
東京都調布市緑ヶ丘二丁目67番地1号フェリーチェ緑ヶ丘A2
電話番号

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