金融取引認証への意識調査の成果
株式会社Liquidが実施した「パスキーなど金融取引の認証意識調査」が注目を集めています。この調査は、オンライン金融取引を行う20代以上の472名を対象に行われ、最近問題視されている「証券口座乗っ取り」に関する認識や、さまざまな認証手段に対する意識が探られました。
調査の背景と目的
2025年初頭から発生している証券口座の不正取引では、被害額が数千億円に達しています。このような状況を受け、Liquidはオンライン取引時の認証方法について利用者の意見を理解するため、この調査を行いました。最近、金融庁が示したフィッシングに強い認証手段としてのパスキーについても関心を集めており、利用の意向が問われています。
調査結果の概要
調査の結果、証券口座の乗っ取り問題について、約7割の人々がその存在を認識していることが明らかになりました。具体的には、「詳しく知っている」という回答は25.0%、「なんとなく知っている」が46.0%に達しました。この結果から、多くの利用者が問題意識を持っていることが伺えます。
セキュリティ対策としては「強いパスワード」(50.4%)が最も多く、「ワンタイムパスワード」(47.0%)や「不審メールやリンクに注意」(40.3%)が続きました。しかし、ここで注目されるのは、ワンタイムパスワードによる二段階認証の使い勝手です。約4割の回答者が「やや使いにくい」または「とても使いにくい」と感じており、主な理由として「操作や入力が面倒」が72.9%、続いて「認証に時間がかかる」が58.3%という結果が出ました。
パスキーへの注目
興味深いのは、パスキー認証に対するユーザーの関心の高さです。81.8%が「既に使用している」または「今後使用したい」と回答しています。実際の利用経験者の約82.2%が「使いやすい」と評価しており、日常使用の面でも負担が少ないことが明らかになりました。
また、パスキーの登録時に本人確認を強化することについても84%の人が賛成する意思を示しており、さらなる安全性向上に対する意識の高さが感じられます。
安全性重視の金融機関選び
調査結果の中で特に目を引くのは、金融機関選びにおいて86.0%がセキュリティ対策を重視しているという点です。「非常に重視する」と「ある程度重視する」を合わせると約86%に達します。オンライン金融取引の普及に伴い、利用者は安心して使える環境を求めていることが強く表れています。
LIQUID Authの紹介
Liquidが提供する「LIQUID Auth」は、ネットバンキングやECサイト、ATMなど多様なシーンで利用できる本人認証サービスです。スマートフォンを使用したパスキー認証や顔認証を用いた「Auth Face」など、安全性と利便性を両立させる仕組みを備えています。これにより、万が一他の認証情報が詐取されても安心できるシステムが構築されています。
まとめ
Liquidの調査結果は、オンライン金融取引における認証方式の改善点と利用者ニーズを的確に捉えており、今後の金融サービスにおいて重要な示唆を提供しています。特にパスキーの普及は、利用者の安全性と使いやすさ双方を高めることにつながると考えられます。安全性と利便性の両立が求められる中、今後の展開に期待が高まります。