背景:年間3名の応募が続く静かな危機
群馬県高崎市に位置する有限会社勝山電気工事は、地域の電気工事業者として長年の歴史を持つ企業です。しかし、国土交通省の調査でも明らかなように、日本の建設業界は人材不足が深刻です。特に中小企業においては、20代の新入社員を獲得することが難しく、その状況は勝山電気工事にも影響を及ぼしていました。2024年までの年間採用数はわずか1〜2名で、3名の応募があったことも年に一度あるかないかというのが現実でした。このままでは若い後継者がいなくなってしまうという危機感が、経営陣の中にじわじわと広がっていたのです。
そんな折、地元の高校で行われるインターンシップを通じて学生たちに「採用戦略の立案」というテーマでの提案を行ってもらう機会が訪れました。そこで出てきたのが「SNSを本気で活用するべき」というシンプルなアイデアでした。半信半疑であったものの、SNSプロデューサーの「にわつる」氏と話し合いを重ね、SNSを活用することに決めました。この選択は、2026年11月に控える社長交代を見越した新しい組織体制への転換をめざす流れの中で、自然なものだったのです。
成果:応募数が13倍に急増
SNS運用を本格的にスタートした結果、勝山電気工事の求人応募数は劇的に変化しました。年間最大3名から、わずか半年で20名まで跳ね上がったのです。これは、年間応募数に換算すると13倍以上の急増です。特に2026年4月には27歳の未経験者が入社することとなり、2年連続で20代の採用に成功したことで、企業としての新たな一歩を踏み出しました。
副次効果:思わぬ広がり
SNS運用の効果は、求人応募数の増加にとどまりませんでした。例えば、顧客から「今日の投稿を見たよ」と声をかけてもらえることが多くなり、これまで以上に信頼関係が築かれました。また、同業他社からの関心も高まり、業界内での存在感が増しています。
さらに、社員の家族からも嬉しい声が寄せられました。「夫がインスタに出たおかげで、夫の親がとても喜んでいます。いい会社で働かせてもらい感謝しています」といった声が届くようになり、社員の愛社精神が育まれる結果となりました。これによりリファラル採用の可能性も生まれ、実際にリファラル入社した社員も活躍しています。
今後の展望:関係人口の重要性
勝山電気工事は今回の取り組みから「SNSは採用ツールにとどまらず、関係人口を増やす経営ツールである」という確信を得ました。2026年11月の新体制に移行した後は、権限移譲を加速させ、ple cafeを拠点とした地域コミュニティの形成やインターンシップの受け入れに本格的に取り組む予定です。SNSを通じて採用、顧客、地域、社員というすべての「関係人口」を育成する基盤として機能させていく方針です。
会社概要
- - 会社名:有限会社勝山電気工事
- - 所在地:群馬県高崎市箕郷町下芝658
- - 事業内容:電気工事業/カフェ運営(ple cafe)/インターンシップ受入 等
協力
- - 群馬の魅力発信再発見プロジェクト
- - SNSプロデューサー「にわつる」
- - Instagram:@niwaturu_gunma