農業総合研究所とNTTアグリテクノロジーが手を結ぶ時代
2024年9月3日、株式会社農業総合研究所(和歌山県和歌山市)とNTTアグリテクノロジー(東京都新宿区)が資本業務提携契約を結びました。両社は、日本の食の安定供給や持続可能な農業の実現を目指し、共に新しい価値の創造に挑む意欲を見せています。
現代農業が直面する課題
近年、農業分野は深刻な問題に直面しています。国内では、農業従事者の減少や高齢化が進んでおり、将来の担い手確保や技術の継承が急務です。一方、世界的には感染症や地政学的リスク、気候変動などが食料供給の安定性や安全性へのリスクを高めています。
NTTアグリテクノロジーのビジョン
NTTアグリテクノロジーは、「AGRI-TECHで、地域を次世代へ」というビジョンを掲げています。最先端のICTを活用し、グリーンハウスの設計や大規模生産施設の運営、データ駆動型農業といった新しいアプローチで、地域農業の発展を目指しています。様々なプロジェクトを展開し、持続可能な農業を実現に向けた取り組みを進めています。
農業総合研究所の役割
農業総合研究所も負けてはいません。「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」を目指し、農業の持続可能性を確保するための仕組みを構築しています。約90の集荷拠点を持ち、スーパー約2,000店舗への産地直送販売を実現する「農家の直売所事業」に加えて、生産者からの買い取りを行い、流通経路を改善する「産直卸事業」を展開しています。
提携を通じた新たな取り組み
このたびの提携は、両社のビジョンに共感し合い、持続可能な農業の実現に向けての協力を決めたものです。「大規模施設園芸事業」と「産直卸事業」という両社の強みを掛け合わせることで、しっかりとした生産者と消費者のつながりを作り上げ、日本の食の安定供給や国産野菜の流通を活性化していくことを目指します。具体的には、以下の取り組みを進める予定です。
高付加価値化の推進
規格外の野菜を利用した食品加工品の開発および流通の促進により、高付加価値化やフードロス削減を図ります。
AI需要予測システムの開発
ビッグデータを利用し、農産物の流通量や販売価格の適正化を実現するためのAI需要予測システムの共同開発を行います。
新たなビジネスモデルの検討
両社協働による様々な施策や新しいビジネスモデルについても検討し、推進していく予定です。
まとめ
農業は日本の基盤を支える重要な産業です。株式会社農業総合研究所とNTTアグリテクノロジーの提携により、持続可能な農業を実現する新たな道筋が開かれることが期待されます。この連携を通じて、日本の農業の明るい未来に向けて、一歩前進することが期待されます。