万博会場「大屋根リング」完成
2024-06-27 01:19:06

大阪・関西万博会場 シンボル「大屋根リング」の木架構が完成! 国産材と最新技術で実現

大阪・関西万博会場のシンボル「大屋根リング」の木架構が完成!



2025年大阪・関西万博の象徴となる「大屋根リング」の建設が着々と進んでいます。大林組を中心とした共同企業体は、2023年6月26日、大屋根リングの北東区画における木架構の完成を発表しました。これは、当初の計画から約1.5ヶ月早いペースでの完成となります。

# 世界最大級の木造建築



大屋根リングは、109個の木架構ユニットを円形につないだ、幅約30m、高さ約20m、内径約615m、周長約2kmの世界最大級の木造建築です。日本の伝統構法である「貫接合」を現代の耐震基準に合わせて採用し、各工区が独自の技術を取り入れて安全かつ合理的に建設を進めています。

# 大林組JVが担当する北東区画の特徴



大林組JVは、大屋根リング建設を担う3つの工区のうち、北東部分(全周約2㎞の約3分の1)を担当しています。北東区画では、以下のような特徴的な取り組みがなされています。

## 1. 貫接合の設計見直しとユニット化による施工効率化と安全性の向上



柱と梁を接合する「貫接合」において、従来の楔(くさび)の代わりに、工場で梁に埋め込んだラグスクリューボルトと仕口部の支圧プレートを用いることで、設計と施工の効率化を実現しました。現場での固定作業はボルト締め付けのみとなり、大幅な作業時間の短縮につながりました。

また、従来の順次組み立て方式ではなく、あらかじめ柱に梁を差し込んだ「平面ユニット」や、構造体上部の「立体ユニット」を地上で組み立て、クレーンで設置する方式を採用。高所での作業を大幅に減らし、安全性を向上させるとともに、安定した人員配置による建方工事を可能にしました。

## 2. デジタル技術を活用した情報共有



BIMモデルを活用したプロジェクト管理システム「プロミエ®」により、現場と協力会社間で、組み立て工事の進捗状況や工場における部材製造・輸送状況をリアルタイムに共有しました。このシステムにより、部材製造と現場への輸送時期の管理が効率化され、当初計画から1.5ヵ月早いペースでの建方が実現しました。

## 3. 国産材を活用した環境配慮



大屋根リングの北東区画では、国産材の活用を推進し、柱材の約50%に四国産のヒノキ、梁材の全量に福島産のスギを採用しています。木材は、藤寿産業株式会社の国内最大規模の集成材生産工場で加工され、柱・梁部材として使用されています。床材には、四国産のヒノキとスギを加工したCLT(直交集成板)が採用され、株式会社サイプレス・スナダヤの国内最大規模のCLT生産工場で製造されました。

# 持続可能な社会の実現へ



大林組は、大阪・関西万博に積極的に参画し、国産材の活用やデジタル技術の導入などを通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。大屋根リングは、万博のシンボルとして、未来へ向けた技術革新と環境への配慮を象徴する存在となるでしょう。

世界最大級の木造建築が誕生する現場! 伝統と革新が融合した大屋根リング



大阪・関西万博の象徴となる大屋根リング。その北東区画の木架構が完成したというニュースは、まさに未来への希望を感じさせるものだった。

今回の記事を読んで、特に印象に残ったのは、日本の伝統構法「貫接合」を現代の技術と融合させた取り組みだ。1万本を超える柱・梁部材と約7,800ヶ所の貫接合を効率化し、さらに安全性を高めるために、ラグスクリューボルトや支圧プレートといった革新的な技術を導入している。

また、デジタル技術を駆使した情報共有システム「プロミエ®」による現場と工場間の連携も素晴らしい。リアルタイムな情報共有により、部材の製造と輸送を効率的に管理し、当初計画を大幅に上回るペースでの工事を達成したことは、今後の建設現場におけるデジタル化の重要性を示している。

さらに、国産材を積極的に使用することで、環境への配慮と地域経済への貢献という側面も忘れていない。日本の伝統技術と最新技術を融合させ、環境にも配慮した世界最大級の木造建築を建設するという、まさに「いのち輝く未来」を象徴する取り組みと言えるだろう。

完成まであとわずかとなった大屋根リング。完成時には、どのような姿を見せてくれるのか、今から楽しみでならない。

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