2025年BtoBマーケティングイベント施策の実態と今後の展望

株式会社ITコミュニケーションズが実施した「BtoBマーケティングにおけるイベント施策に関する実態調査」（2025年）の結果が発表され、企業のマーケティング施策の現在の状況や将来の展望が浮き彫りとなりました。

コロナ禍におけるマーケティングの変革

新型コロナウイルスの影響が企業の在宅勤務の普及を加速させ、その影響でBtoBマーケティングの手法も大きな変化を遂げました。かつては展示会が主要な施策として重視されていましたが、コロナを経てオンラインセミナー（ウェビナー）の重要性が急増し、今や多くの企業がこの手法を駆使しています。アフターコロナの時代においても、オンラインの施策は定番となり、企業の活動に欠かせない要素となっています。

展示会とオンラインセミナーの現状

調査結果によると、昨年度のBtoBマーケティング施策において最も実施されたのは展示会（52.3％）、次いでメール（37.1％）、オンラインセミナー（36.7％）が続く結果となりました。このデータは、展示会の影響力が今なお大きいことを示しています。展示会では、リアルの現場での体験価値が高く、ブランドの認知軸や信頼構築に大いに寄与しています。

一方、オンラインセミナーにはリード獲得や顧客育成の側面があり、参加者が移動する手間を省くことができるほか、オンラインであれば広範囲にリーチできるという利点が強調されました。

BtoBマーケティング施策の目的とメリット

展示会のメリット

展示会には、出展の目的として「リードの獲得」が56.5％と最も高く、次いで「製品・サービスの認知度向上」が55.6％という結果でした。企業は新規顧客だけでなく既存顧客との関係強化を目指しており、展示会はリアルな接触を通じて双方のコミュニケーションを深める貴重な場となっています。

オンラインセミナーの利点

オンラインセミナーでは、参加者の移動負担がなく、どこからでも参加できるため、意欲的な関与を促しやすいというメリットがあります。最新の調査では、オンラインセミナーの目的がリード獲得（59.8％）であることが分かり、製品・サービスの認知度を向上させる手段としても有効性が確認されました。

成功の鍵は施策の統合

本レポートの重要な結論として、展示会とオンラインセミナーは単体での優劣がないという点が強調されました。両施策の統合的な展開が、今後のBtoBマーケティング成功のカギとされており、両者の特性を活かした戦略が求められます。

企業は、展示会で得られるリアルな体験価値を重視しつつ、オンラインでのアクセスの容易さや気軽さを生かした施策を展開していく必要があります。