中村キース・ヘリング美術館のプライド月間の取り組み
毎年6月は、LGBTQ+の権利について考える「プライド月間」として、様々なイベントが行われます。この流れを受けて、山梨県小淵沢に位置する中村キース・ヘリング美術館も、今年も特別な活動を実施しています。アメリカのアーティスト、キース・ヘリングの精神を引き継ぐこの美術館では、LGBTQ+コミュニティへの理解と連帯を深めることを目指し、5つの特色ある取り組みを展開しています。
1. 新収蔵ポスター特別展示
今年、美術館ではキース・ヘリング財団から寄贈されたポスター《シカゴ・ヴォーガーズ・ボールのためのポスター》を展示中です。このポスターは、ダンスカルチャー「ヴォーギング」を象徴し、1970年代のニューヨークにおいて、LGBTQ+コミュニティがどのようにファッションやダンスを通じて自己表現を行ったかを示しています。ヘリングはこのアートを通じて、社会的な困難に直面していた人々に対する連帯のメッセージを表しました。
2. クィアイベント「fancyHIM」への協力
東京で行われる「fancyHIM」には、多様な性や性自認を持つ人々が集い、自由に自己表現を行う機会が提供されています。今年は、プライド月間に合わせ、渋谷で特別なパーティが開催されました。美術館のディレクターがMCを務め、キース・ヘリングの理念を基にした多様性の重要性を広めるために協力しました。
3. マリオット・インターナショナルでのLGBTQ+研修実施
マリオット・インターナショナルの社内研修プログラムでは、美術館のディレクターが講師として登壇し、LGBTQ+に関連する人権教育について講義を行いました。この研修により、企業としての多様性と包摂性の理解を深める機会を提供しています。
4. レインボーデザインのオリジナルグッズを発売
プライド月間に合わせて、美術館ではレインボーカラーをテーマにしたオリジナル商品を新たに販売しています。日常使いしやすいタオルやTシャツは、誰もが自然に身に着けられるデザイン。オンラインショップでも特設ページが設けられ、幅広いアイテムが揃っています。
5. 「山梨レインボープライド」への協賛
今年、山梨で初めて開催される「山梨レインボープライド」にも協賛しています。地域の多様性への理解を深めるため、美術館として地域社会と連携し、アートによる対話を通じてLGBTQ+コミュニティに対する理解を促進し続ける姿勢を示しています。
これらの活動を通じて、美術館は自由と平等、そして多様性の重要性を伝え続けています。アートの力で、誰もが尊重される社会の実現に貢献することを目指しています。これからも多様な価値観の共存を支援していくため、美術館の取り組みに注目が集まります。