世田谷区立太子堂中学校におけるAI活用の英語学習実験
AKA株式会社が開発した人工知能(AI)を活用した英語学習アプリ『Musio ESAT-J 通信教育』が、世田谷区立太子堂中学校において実証実験を行いました。この取り組みは、今年度から導入されたESAT-J(イーサットジェイ)テストに向けたもので、AI技術による新しい教育ソリューションが中学校の英語教育に革新をもたらす可能性を開いています。
ESAT-Jテストとは?
ESAT-Jは、東京都の公立中学校で採用されている英語スピーキングテストで、中学生の英語力を測る重要な試験として位置付けられています。このテストは、学んだ英語をどれだけ使えるようになったかを評価するもので、都立高校の入学試験にもスコアが反映されます。実施が始まったのは令和4年で、今後はさらに年間を通じて継続的に行われる予定です。
このテストには、受験者は自分のスコアを早めに知り、計画的に学習することが求められます。しかし、多くの学校ではまだ具体的な学習対策が整っていないのが現状です。そこで、AKAの『Musio ESAT-J 通信教育』が開発されました。
AIを駆使した『Musio ESAT-J 通信教育』の特長
模擬テストへの対応
アプリでは、ESAT-Jの出題形式に基づいた模擬テストが可能です。学年やスキルレベルに応じた問題を選択できるため、自分に合った学びが実現します。
AIによるリアルタイムのフィードバック
学習者の回答はAIによって即座に採点され、分析結果が提供されます。これにより、自分の得意・不得意を客観的に把握できるため、苦手な部分を重点的に学習しやすくなります。
パート別演習
アプリにはパート別演習機能もあり、特定の分野に絞った効率的な学習が可能です。この機能を活用し、苦手な分野を徹底的に補強することで全体的な成績向上を狙えます。
実証実験の概要
世田谷区立太子堂中学校での実証実験では、3学年の生徒が同アプリを使用し、ESAT-J本試験に向けた演習を実施しました。期間中、生徒たちが実際に模擬テストを受けることで、学習効果を数値として測定し、分析することが目的です。このデータは、今後のアプリ改善につながる重要な資源となるでしょう。
実証実験に参加した生徒たちは、自分のレベルに応じた学習ができ、英語力の向上が期待されています。さらに、Musio ESAT-Jは模擬テストに限らず、日常的なスピーキング練習としても利用できる多様なコンテンツを用意しています。
拡大する実証実験の取り組み
太子堂中学校だけでなく、都内の複数の中学校でも実証実験が行われています。参加校には、葛飾区立常盤中学校や小平市立上水中学校などが名を連ねており、それぞれの学校での成果が集められることで、より良い教育手法が探求されています。
そもそも太子堂中学校とは?
太子堂中学校は昭和22年に創立され、聖徳太子に由来する地名を持つ学校です。「社会の変化に応じた生きる力をはぐくむ」という基本方針のもと、教師と生徒の密なコミュニケーションを重視した教育が行われています。
また、2024年には『Musio ESAT-J』に高校入試対策のコンテンツも追加される予定であり、中学3年生が高校受験にも対応できる学習環境が整うことが期待されています。
まとめ
AKA株式会社が提供する『Musio ESAT-J 通信教育』は、AIを駆使した英語学習の新たな時代を切り開こうとしています。生徒たちの英語力向上をサポートする中で、実証実験によって得られたデータをもとに、より質の高い学習コンテンツが開発されることが期待されます。今後の推移から目が離せません。