2024年アジア太平洋地域のキャップレート動向と市場分析
コリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社が発表した「2024年第4四半期APACキャップレートレポート」は、厳しい経済情勢にもかかわらずアジア太平洋地域全体で景況感の向上を示していることが注目される。特にリテールセクターが前四半期のキャップレート変動において重要な役割を果たしている。
景況感の上昇がもたらす変化
祝祭シーズン到来により個人消費が急増したオークランド、中国、香港、バンコク、そしてベンガルールの各市場で、リテールセクターは直接的な恩恵を受けた。このように地域ごとに状況が異なる中、オークランドにおいてはリテールとインダストリアルセクターが特に顕著な動きを見せている。
さらに、金利の低下がAPAC各国で進行し、2025年にはそのペースが鈍化する可能性もあるが、依然として下落傾向が続く見込みである。金利の安定は景況感を支え、主要市場での投資活動を活発にしつつあり、これにより投資家層の多様化も進行中だ。
セクター別の動向
オフィスセクターについては、グリーンビルが市場に参入することに伴い、立地が不利な物件は課題に直面しているものの、優位な位置にある物件は新たなビジネスチャンスを掴む機会を見出している。一方、インダストリアルセクターは主に物流および倉庫物件が成長を牽引し、安定成長を見せている。
各国の状況を見てみると、日本の東京ではオフィス賃料の上昇が見られ、投資マインドも改善しているという。オーストラリアではオフィスとインダストリアルの利回りが安定しており、中国では投資活動が活発化している。また、香港では管財人の管理する資産に注目が集まり、インドではベンガルールにおける商業取引の改善が見られる。
こうした各国の動向からは、アジア太平洋地域全体でリテール市場が賃料や稼働率の安定をもたらしており、外国人投資家に対する関心も高まっていることが伺える。
今後の展望
韓国では金利引き下げがあり、ソウルのオフィス取引市場が安定しつつあることが確認されている。また、タイのバンコクでは観光復興の影響で高級ショッピングセンターが成長を見せている。他方、フィリピンのマニラではオフィス賃料が下落傾向にあり、キャップレートも安定している。
特にシンガポールはマクロ経済環境が良好で、各セクターのキャップレートが安定している。
総じて、2024年のアジア太平洋地域はリテールセクターの成長が期待され、金利の安定がもたらす景況感の向上が、投資活動に良い影響を与えることが予想される。来たる2025年以降、経済の動向と新たなビジネスチャンスにどういった形で影響が出るのか、ますます注目が集まるだろう。
結論
コリアーズ・ジャパンは、アジア太平洋地域における不動産市場の動向を持続的に追跡し、クライアントに最良の情報とサービスを提供し続ける。具体的な状況については、より詳細なレポートをダウンロードして確認することができる。
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