淡路島で自閉症児と家族が玉ねぎ収穫体験を楽しむイベント開催

2025年5月4日（日）、兵庫県淡路島のウェルネスパーク五色において、自閉症児とその家族のための体験イベント『自閉っ子野外活動～農業体験とバーベキューにチャレンジしよう！』が開催されました。本イベントは、株式会社パステルコミュニケーションの「発達科学コミュニケーション」を運営する今川ホルン氏が主宰し、全国から29名の参加者を迎えました。

晴天に恵まれたこの日、参加者たちはまず玉ねぎ畑へ向かいました。農園のスタッフから収穫方法を学び、広大な畑に点在する玉ねぎの中から、各自の手で収穫する喜びを体験しました。葉を持って引き抜く行動は親子で協力しやすく、初めての体験にもかかわらず、子どもたちの笑顔があふれました。収穫後は自分で切った玉ねぎを持ち帰る準備を整え、家族の協力を感じる瞬間となりました。

次に行われたバーベキューでは、リーダーシップを発揮する子どもたちが様々な役割を担い、食事準備に参加しました。大人と子どもが協力し合う姿は、料理の楽しさを共有する素晴らしい機会となりました。特に、自ら率先して手伝う子どもたちの姿には、成長の兆しが見え、参加者全員が食事の時間を共有することのあるべき姿を体験しました。

食事の後、参加者たちには淡路島の名産である「吹き戻し」が配布されました。このおもちゃは、発話や口の筋肉を鍛える効果があることから、子どもたちの言葉の発達を願ってのプレゼントでした。保護者同士のコミュニケーションも活発化し、互いに支え合いながら心温まる時間を共有しました。

参加者からは、玉ねぎを自分で収穫できたことへの喜びや、今まで挑戦できなかったことに取り組む姿勢に感激したとの声が多数寄せられました。「楽しかったから、さみしい」と感じるようになった子どももおり、彼らの心の成長をお母さんたちは嬉しく思ったようです。参加した家庭からは、バーベキューや収穫体験が全員にとって思い出となり、普段の家庭では味わえない交流ができたとの感想が寄せられました。

このイベントは、発達科学コミュニケーションの理念に基づき、保護者と子どもが共に成長できる環境を整えることを目的としていました。『自閉症総研ホルン』では、今後も自閉症児とその家族が安心して活動できる機会を提供し続ける意向です。子どもたちが「できた！」と感じられる瞬間を大切にし、多くの支援者と一緒により良い社会を創造していくことを目指しています。イベントを通じた成功体験は、参加者全員にとって新たな自信と勇気を生む結果となったことでしょう。今川ホルン代表は、「ゆっくりと確実に成長を支えることが重要である」と語り、今後の活動への誓いを新たにしました。