給食のない夏休みに寄り添う新たな支援「カタリバおうち給食」
休みになると多くの家庭が経験する、昼食の準備や出費の増加。特に経済的困難を抱える家庭では、これがストレスの源となっています。今回の調査結果はその実態を浮き彫りにしました。
調査の概要
認定特定非営利活動法人カタリバは、経済的に厳しい環境にある家庭を支援するために、252名の保護者を対象に調査を実施しました。その結果として以下のような課題が明らかになりました。
1.
昼食や食費の準備への不安
- 「昼食の準備が大変」「食費や光熱費がかさむ」という声が多く寄せられました。
- 特に、子どもが一人でいるときに、加工食品を食べたり、お菓子でお腹を満たしていることが多い現状が心配されています。
2.
食事の回数が減少
- 約4割の家庭が給食のない夏休み期間中に、子どもたちの食事回数が減ると回答しています。中でも昼食の回数が減った家庭は約3割に達しています。
- 経済的な理由で十分な食事が用意できていないとの声も目立ちました。
3.
保護者自身の食事の優先順位の変化
- 調査によると、約5人に2人の保護者が、自分の食事を削り子どもを優先していることが判明。このような状況は家庭の健康状態にも影響を与えているかもしれません。
新たな支援「カタリバおうち給食」
この調査結果を受け、カタリバでは「カタリバおうち給食」プロジェクトを立ち上げ、冷凍弁当を家庭に届ける取り組みを開始します。
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対象: カタリバの支援プログラムを利用する経済的困難を抱える家庭(事前登録制)
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提供内容: 子ども一人当たり、冷凍弁当を定期的に配送
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期間: 2025年7月21日〜8月31日(6週間)
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予定提供世帯数: 273世帯471人
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提供エリア: 全国
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協力企業: 株式会社ニチレイフーズ、味の素株式会社、セイノーホールディングス株式会社
この取り組みは、家庭の食事準備の負担を軽減し、給食に匹敵する栄養価の高い食事を子どもたちに提供することを目指しています。
社会全体の意義と必要性
夏休み中、学校が休みになり、支援の手が届きにくくなることが多いこの時期は、家庭の経済状況がさらに厳しくなります。また、栄養が偏った食事は子どもの成長にも影響を与えかねません。このような問題を踏まえ、カタリバは今回の取り組みを開始しました。
「給食がない時期にも、栄養バランスの取れた食事を提供し、子どもたちが安心して夏休みを過ごせるようにしたい」という思いが、このプロジェクトの根底にあります。
まとめ
カタリバは、経済的困難を抱える家庭が直面する問題に対処するため、今後も支援を続けていきます。冷凍弁当を通じて、子どもたちに安心と満腹感を届けることで、よい未来を築く手助けを目指します。
私たちにできること、一緒に考えていきましょう。