株式会社メタルワンは、自動車鋼板流通のデジタル変革を実現するため、「Metal X®」というデジタル・プラットフォームの新サービス「日次共通納期管理表サービス」を2024年8月より提供開始することを発表しました。この新サービスは、サプライチェーン全体の効率化を目指し、日々の受発注や出荷・納入状況を簡素化するものです。
本サービスは主に2つの機能で構成されています。1つ目は、複数の商社やコイルセンターに対して効率的に新規注文や注文変更を行うことができる機能です。これにより、従来の電話やFAX、メールなどの煩雑な方法を排除し、シンプルかつスピーディーに注文が行えます。2つ目は、出荷予定や納入実績を一元的に管理する機能です。この機能により、発注者や受注者が共通の管理表でリアルタイムに情報を確認できるため、効率的なコミュニケーションが可能になります。
これまでは、受注者である商社やコイルセンターが各企業ごとに異なる手法で注文内容を管理していましたが、「日次共通納期管理表サービス」によって発注者と受注者が直接入力した情報が一元管理されるため、運用効率が大幅に向上します。また、データがMetal X上に集約されることで、業務運用に関わる属人化も減少し、認識の齟齬を効率的に解消することが実現しました。
さらに、Metal Xは2023年4月から自動車業界向けに提供を開始し、すでに第1弾サービスとして企業横断型の部品表情報を管理する「原単位連関表」を導入し、多くの自動車メーカーや部品メーカーに利用されています。今後もユーザーを増やす方針であり、追加機能の開発も継続しています。また、カーボンニュートラルを含む様々な業界課題に対応した新サービスも展開予定です。
メタルワンは、国内外に多くの拠点を持つ鉄鋼総合商社であり、高品質な自動車鋼板の安定供給に注力しています。サプライチェーンの全体を把握し、業務のDX化を進めることで、業界全体の変革を目指しています。今後のMetal Xの展開により、鋼材調達業務だけでなく、より広範な業界全体の持続可能な成長が期待されます。
一方で、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、世界中で展開するIBMの日本法人として、デジタルトランスフォーメーションのサポートを行っています。メタルワンと共同で構築したMetal Xのプラットフォームは、IBM Cloud上で安全かつ効率的に運用されており、今後もお客様と協力して持続可能な社会の実現を目指しています。
このように、メタルワンの「Metal X®」は自動車鋼板流通におけるデジタル化の重要なステップとなり、新しいビジネスモデルの構築に寄与していくことでしょう。