第30回日本緩和医療学会学術大会が福岡で初開催
2025年7月4日から5日にかけて、日本緩和医療学会の第30回学術大会が福岡で行われます。この大会は「緩和医療~生老病死を慈しむ~」というテーマのもと、急速に進行する高齢化社会における今後の緩和医療のあり方について、医療専門家が集まり様々な知見を共有し合います。
高齢化社会と緩和医療の新たな視点
日本では毎年160万人以上が亡くなっており、その中における緩和医療のアプローチは今、転換期を迎えています。単なる医学的な介入だけでは不十分な場面が多く、個々の患者に対して生老病死の苦しみを「慈しみの心」で理解し、対応することがこれから求められます。この大会では、過去30年の歩みを振り返りながら、次世代の緩和医療についての議論が深められる予定です。
充実したプログラムと豪華な講演
大会では、最新の研究成果や実践的な知識を中心に、講演やシンポジウムが多数予定されています。例えば、基調講演では、新潟大学の宮坂道夫教授が「人間の本質としての『弱さ』」について考察します。この講演では、共感という感情がどのようにケアを支えるのかが語られる予定です。
また、特別講演にはクリミア戦争時代のフローレンス・ナイチンゲールに関する講演があり、ケアという視点から見た医療の意味が取り上げられます。さらに、緩和ケアにおけるスピリチュアルケアの重要性についても多職種で議論するシンポジウムが行われ、医療が抱える精神的な苦しみにも光を当てます。
全国から集まる専門家たち
福岡での開催は初となりますが、全国各地から多くの医療プロフェッショナルが集結します。医師、看護師、薬剤師など、各分野の専門家たちが一堂に会し、それぞれの視点から緩和医療の実践や研究について意見を交わす機会となります。特に、参加者同士のネットワーキングの場も設けられ、情報交換やコラボレーションのきっかけとなることが期待されます。
参加申し込みと詳細
大会への参加申し込みは、6月20日まで受け付けられています。参加希望者は、公式ウェブサイト
(jspm30.org)から申し込むことができます。この大会が日本の緩和医療の未来を形作る重要なイベントとなりますので、多くの方の参加が望まれます。
各種支援団体
本大会は福岡市、公益社団法人福岡県医師会、公益社団法人福岡県看護協会、公益社団法人福岡県薬剤師会といった団体の後援を受けており、大会の信頼性と意義がさらに高まっています。
これからますます重要となる緩和医療について真剣に考える絶好の機会となるこの大会。参加を通じて、次世代の緩和医療のあり方に触れ、多様な専門家との交流を通じて学びを深めましょう。