奈良市が生成AIを活用した子育て相談の新サービスをスタート

奈良市が子育て支援に新たな一歩を踏み出す

奈良市は、妊娠中から子育て中の家庭を対象とした新しい相談支援サービスを開始します。このサービスは、生成AIと専門職員によるハイブリッド体制を採用しており、24時間体制で子育てに関する相談を受け付けることが特徴です。実証実験は2025年12月31日まで行われ、成果を基に今後の施策に活用される予定です。

子育て相談の現状と課題

奈良市の子どもセンターに寄せられる相談件数は年々増加しています。令和4年度には1,238件の虐待対応相談があり、令和5年度には1,645件、令和6年度には1,584件と推移しました。この増加は、少子化が進む中での現象で、虐待以外の相談件数も同様に増加しています。これに対処するため、奈良市では新たな取り組みが必要とされていました。

現在の相談窓口は日中に限られており、就業時間や育児時間との兼ね合いで利用しにくい状況です。この点を踏まえ、今回の生成AI「AI（あい）ちゃん」は24時間対応することで、利用者が気軽に相談できる環境を提供します。

実証実験の内容と魅力

実際のサービスは、LINE公式アカウント「おやこよりそいチャット奈良」を通じて行われ、匿名での相談が可能です。AIは気持ちの傾聴と課題整理を行い、専門職員は平日の日中に相談を受ける体制です。これにより、いつでもどこでも安心して相談ができる利便性が提供されます。

相談は簡単で、通常のLINEと同じようにメッセージを打ち込むだけ。緊急時には適切な相談窓口に繋がる機能も用意されており、安心です。また、専門職員とAIとの切り替えも簡単に行えるため、その時々のニーズに応じた相談が可能です。

さまざまな相談対象と連携の重要性

この実証実験は、妊娠中から子育て中の方を対象としていますが、相談内容は多岐にわたります。助産師や心理士、社会福祉士といった専門職がサポートすることで、単なる相談に留まらず、地域のリソース紹介や制度の案内も行われる予定です。

期待される効果

奈良市がこのAIを活用した相談支援サービスを導入することで、子育て家庭の孤立が少しでも軽減されることが期待されています。特に、夜間や休日に相談を希望する家庭にとって、24時間体制のAIは非常に有用です。

市としては、この取り組みを通じて将来的に子育て支援をさらに充実させ、切れ目のない支援を目指す方針です。子育ては孤独になりがちですが、このサービスによって多くの家庭がサポートを受けられるようになることが期待されます。