キーサイトが提案する新たな車載向けテストソフトウェア
2021年11月4日、キーサイト・テクノロジーズが新しい車載向け高速SerDes(シリアライザー/デシリアライザー)規格のテストソフトウェアを発表しました。この製品群は、MIPI A-PHYとAutomotive SerDes Alliance(ASA)規格に対応しており、車内の高度なインフォテインメントシステムや先進運転支援システム(ADAS)など、現代の自動車に求められる通信能力をサポートします。
車載向けSerDesの重要性
自動車業界では、多様なデータがリアルタイムでやり取りされ、それに伴うデータ伝送の高速化と信頼性が要求されています。キーサイトの新しいテストソフトウェアは、車載向けのシリアルリンクの性能を最大限に引き出し、より安全で快適なモビリティを実現するための基盤となります。
キーサイトは、先日発表したAE2010T SerDesトランスミッター・テスト・アプリケーションを用いることで、ユーザーはKeysight Infiniium UXRシリーズオシロスコープによって簡単にテストを実施できます。また、AE2010L車載向けチャネル・テスト・アプリケーションでは、ネットワークアナライザーを用いた自動テストが可能となります。これにより、テストの効率が著しく向上し、データ整合性が確保されます。
業界のビジョンと共同開発
この新しいテストソフトウェアは、ソニーセミコンダクタソリューションズおよびRosenberger社とのコラボレーションによって実現されました。特に、ソニーからの大西健司氏は、「車載向けSerDes規格は我々にとって重要な戦略であり、キーサイトとの協力を通じて、自信を持って新機能を提供できる」とコメントしています。
Rosenberger社とも提携し、高速データリンク用のアダプターが提供されることで、市場でのテストソリューションの拡充が図られています。このアダプターは、さまざまな自動車用コネクタのテストに対応しており、FAKRA、HFM、HSDなどの最新技術に基づくソリューションとなっています。Rosenberger社はこれにより、デバイスメーカーが新しい車両内ネットワークを支援するアダプターを供給できることに喜びを表明しています。
新しいテストソフトウェアの特長
キーサイトの新規ソフトウェアには、以下のような利点があります。
- - テスト機器の設定と校正の自動化により、時間を短縮。
- - 単一ソフトウェアでMIPI A-PHYおよびASAに準拠したテストを網羅。
- - 統計情報を含む広範な試験結果を報告するテストフレームワークを提供。
- - 検証結果の精度と再現性の高いデータが取得可能。
これにより、ユーザーは検証やデバッグにかける時間を大幅に削減し、効率的な開発を実現します。また、チャネル・テスト・ソフトウェアは、E5080B ENAベクトルネットワークアナライザー等の最新技術に対応しており、さまざまな接続環境で柔軟に運用することが可能です。
最後に
キーサイトは、「車載ネットワークは今後の技術の中で重要な位置を占める」とし、今後ますます進化する自動車の技術的要件に応えていく方針を示しています。業界のパートナーと共に次世代の自動車向け高速SerDesインターフェースの設計検証を推進し、車載技術の革新をリードしていくことに期待が寄せられています。
最後に、製品画像や詳細情報はキーサイトの公式サイトで確認できます。
キーサイト・テクノロジーについて
キーサイトは、イノベーションを加速し、安全に全てのものがつながる世界を実現するための高度な設計と検証ソリューションを提供しています。世界各地の通信、産業エコシステム、航空宇宙、防衛、自動車など、多岐にわたる分野で先導的な役割を果たしており、2020年度の売上高は42億ドルを記録しました。詳細は公式サイトを訪れてご確認ください。
www.keysight.co.jp