山間部でも安心!衛星通信で進化する地籍調査とその新技術
日本の地籍調査は、国土交通省の「国土調査促進特別措置法」に基づいて行われ、地方自治体が土地の所有者や地番、地目の調査を行います。これにより、境界位置や面積を測量することが可能となるのです。しかし、山間部などの電波の届きにくい地域では、これまで現地訪問が求められ、効率的な作業が難しい状況がありました。
オンライン承認者検査の導入
【令和6年6月に改正された規程】によって、地籍調査の承認者検査がオンラインで行えるようになったことは大きな進展です。これにより、都道府県庁は現地に赴くことなく、必要な検査を実施できるようになります。新たに導入される「リモートアシスト」は、そのオンライン化を称賛される技術の一つです。
リモートアシストの仕組み
「リモートアシスト」は、現場作業者の視覚映像をPCで確認し、指示を出すことができる便利なシステムです。特に優れた点は、以下の通りです。
- - 全方位からの映像確認:最大で4台のカメラ映像を同時に確認でき、詳細な状況把握が可能です。
- - 高画質対応:192万画素の高画質カメラを搭載し、細部まで鮮明に見ることができます。
- - 骨伝導技術の活用:骨伝導イヤホンマイク一体型により、周囲の騒音が大きな状況でもクリアな音声通話が実現します。
- - クラウド保存機能:映像と音声をクラウドに保存することができ、後からも確認可能です。
衛星通信の活用
リモートアシストは、地上約550kmの衛星を利用することで、電波の届きにくい地域でもオンライン検査を実現します。衛星通信アンテナが受信した電波をWi-Fiルーターを通じてカメラシステムに接続。これにより、山間部でも安心して作業が行えるのです。
また、申し込みをすることで、必要な際には衛星通信機器(Starlink)を利用可能。通信が途絶した場合でも、自動で再接続してくれるため、安心して業務を続けられます。
地籍調査の未来
地籍調査は、地方自治体の根幹を支える重要な業務ですが、従来のやり方では時間とコストがかかりがちでした。オンライン検査の導入と新たな技術の活用により、より効率的かつ正確な調査が可能になるでしょう。今後もリモートアシストのようなテクノロジーが、地籍調査の現場を変革し、全国の山間部でもスムーズな作業が実現することが期待されます。これにより、日本の土地のひとつひとつが正確に把握でき、国土管理における大きな一歩となるのです。