ロベコの調査結果
2021-03-22 16:14:24
気候変動投資家調査、ロベコが進展を報告
気候変動に対する意識の高まり
ロベコが2021年に実施した「世界気候調査」は、気候変動への取り組みに対する投資家の姿勢を明らかにしています。この調査によると、約73%の投資家が既に気候変動を投資方針の重要な要素として位置づけており、ほとんどの回答者が、気候変動に関する方針をすでに策定しているか、将来にわたって策定する意向を示しています。これにより、気候変動問題への認識が高まっていることが裏付けられています。
実質ゼロ目標の設定状況
低炭素経済の実現に向けたステップの一つとして、炭素排出量を実質ゼロにするという目標を設けている投資家は依然として少数派ですが、今後5年内にその数が54%に達する見込みです。特に欧州と北米では、60%を超える投資家が排出ゼロの目標を採用する意向を示しています。一方、アジア太平洋地域ではわずか29%がその設定を計画しており、他地域と比較して見劣りします。
脱炭素化の必要性と課題
調査の結果、投資家は化石燃料への依存を減らし、低炭素経済へと移行する必要性を強く認識しており、今後5年間で炭素集約型資産からの投資撤退が進む見通しです。しかし過去5年間では、40%以上の投資家がそのような撤退を行わなかったことも指摘されています。今後、この割合は機関投資家で19%、仲介業者で25%に低下する見通しです。
一方で、質問者の多くが脱炭素化の実現において最大の障壁として「データ不足とレポーティング」を挙げており、特にこの問題は欧州で高く現れています(58%)。アジア太平洋地域においては、低炭素運用戦略の不足が問題視(54%)、北米では社内の専門知識不足が課題とされています(45%)。
投資家の反応とロベコの姿勢
ロベコのCEOであるGilbert Van Hassel氏は、「低炭素経済への移行には協力が不可欠であり、今こそ行動が必要です」とした上で、調査結果が多くの投資家が気候変動に真剣に取り組んでいることを示す良い兆しとなると述べました。しかし、コミットメントを実現するための具体的な行動に関する知識ギャップが残っており、必要な情報の普及や教育の重要性を訴えています。
ロベコの企業紹介
ロベコは、1929年に設立されたグローバルな資産運用会社で、オランダのロッテルダムに本社を構えています。地球規模で17拠点を展開し、サステナブル投資のリーダーとして知られています。2020年末の運用資産総額は約22兆円で、そのうち16兆円にESG要素を統合しています。ロベコ・ジャパン株式会社はロベコの日本法人として2013年に設立され、日本市場に焦点を当てた投資戦略を展開しています。
この調査は、企業、個人、政府がともに気候危機に対抗するための行動を促進し、より持続可能な未来への道を切り開くことを目指しています。
会社情報
- 会社名
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ロベコ・ジャパン株式会社
- 住所
- 東京都港区六本木1-4-5アークヒルズサウスタワー6階
- 電話番号
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