カーボンニュートラル社会へ向けた革新的なCO2回収技術の共同開発

共同で取り組むカーボンニュートラル社会の実現

福岡県のスタートアップである株式会社JCCL、東京都に本社を置く東洋製罐グループホールディングス株式会社、および三井物産プラスチック株式会社の三社が、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、共同でCO2分離回収技術の社会実装を加速する取り組みを始めました。これは、2050年までのCO2排出削減を目指す重要なステップです。

CO2分離回収技術の背景

2050年のカーボンニュートラル社会を実現するためには、CO2の分離と回収技術が鍵となります。特に、JCCLが開発した2種類の技術—燃焼後の排ガスからの回収と大気中からの直接回収（DAC)—は、同時に利用することで高効率かつ低コストでの、大気中の低濃度のCO2を約97%から99%という高純度で回収できるという特徴を持っています。

この共同取り組みでは、JCCLの省エネルギー型CO2分離回収技術を早期に実用化するため、東洋製罐グループの豊富な製造経験と三井物産プラスチックの広範な販売網を活用します。

JCCLの技術の進化

JCCLが開発したCO2分離回収技術は、未利用の排熱を有効活用することができるという特長があります。具体的には、JCCLのアミン含有ゲルが、40〜60℃の低温蒸気を供給することで高効率にCO2を吸収し、その後容易に回収することが可能です。

さらに、従来の技術では多くのエネルギーを必要とするのに対し、JCCLの技術は収集時のエネルギーコストを大幅に削減することができます。このようにして、コストと時間を大きく削減しながらも、効果的なCO2回収を実現します。

各社の役割

このプロジェクトにおいて、各社は次のような役割を担います：

- ### JCCL

CO2分離材料の開発や、分離回収装置の改良、社会実装に向けた特許の取得を進めます。

- ### 東洋製罐グループ

パッケージング技術を活かし、CO2分離回収装置の標準化とスケールアップを行います。

- ### 三井物産プラスチック

販売網を駆使したマーケティングと、グローバルスタンダード化に向けた販路開拓を担当します。

今後の展望

2025年度からは、東洋製罐グループの下松事業所において、小型回収装置の実証実験を行い、その結果を基にさらなる技術開発を進めます。また、回収したCO2の利用に向けた取り組みも他のパートナー企業と共に始める予定です。

この3社は、CO2分離回収プロセスの早期実装とCAC（Carbon Capture and Utilization）モデルの実現に向けて、一体となって取り組むことで、2050年のカーボンニュートラル社会実現を目指します。