尻屋埼灯台の未来へ向けた子供たちの創造的ワークショップ
青森県東通村にて、2024年8月9日、「尻屋埼灯台の観光について考えるこどもたちのワークショップ」が開催されました。このイベントは、尻屋埼灯台を題材に、地域の海と灯台への理解を深めることを目的としています。
ワークショップの背景
この取り組みは、日本財団が支援する「海と灯台プロジェクト」の一環として企画されました。このプロジェクトでは、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、日本国内外とのつながりを築きながら新たな海洋体験を創造することを目指しています。
認識を深める場
ワークショップは、尻屋地区多目的集会施設「水神の郷」で行われ、地元の小学生10名が参加しました。一般社団法人tsumuguの代表理事である地域創生コーディネーターの小寺将太さんと、青森大学の学生が講師として関わり、子どもたちに灯台の重要性や役割を教えました。子どもたちは、灯台が船の安全を守るために不可欠であることを新たに知り、興味を持って学ぶ姿が印象的でした。
また、灯台の名称にまつわる疑問や、尻屋埼灯台の岩がハワイから輸入された石灰岩であることなど、さまざまな豆知識も紹介されました。このような新しい知識に子どもたちは目を輝かせ、「知らなかった!」と驚きの声をあげていました。
意見交換の時間
その後、参加者たちはグループに分かれ、「良いところ」「悪いところ」「こうなって欲しい」「こうなって欲しくない」「尻屋埼灯台の利活用方法」といったテーマに基づき意見を出し合いました。模造紙に付箋を貼るスタイルで行ったこの意見交換は、子どもたちの独特な視点を反映した意見が次々に寄せられる楽しい時間となりました。
出た意見の中には、灯台での祭りや花火、露天風呂の設置、ライトアップイベント、そして宿泊施設の設置など、創造的かつ実現可能な提案も多く含まれていました。これらの意見は、地域創生に向けた重要な示唆と言えるでしょう。
尻屋埼灯台の魅力
尻屋埼灯台は、明治9年に造られた青森県の重要な観光名所であり、レンガ造りの灯台としては日本一の高さを誇ります。この灯台の魅力は、その360度の視界で見ることができる美しい風景と、暖流と寒流が交じり合う海の色合いにあります。特にウニやアワビといった新鮮な海産物が豊富で、観光客にとっても人気のスポットです。
今後の展望
このワークショップは、ただの意見交換を超え、尻屋埼灯台が持つ観光資源としての可能性を多くの子どもたちが考えるきっかけとなったことは間違いありません。「海と灯台プロジェクト」の理念に基づき、地域の協力と子どもたちの声を活かした新たな利活用モデルが今後も期待されます。また、地域の若者や専門家との連携を通じて、尻屋埼灯台が持つ文化的価値を守りつつ、次の世代へと受け継いでいくための取り組みが求められています。
次回のワークショップも楽しみですね。子どもたちの新たな視点が、今後の尻屋埼灯台の未来を豊かに彩ることを期待しています。