和歌山県かつらぎ町に導入されるAI配車システムTAKUZOとは
和歌山県かつらぎ町で、2025年10月から「TAKUZO」と呼ばれるAIオンデマンド配車システムが実証運行を開始することが発表されました。この取り組みは、近畿圏では初の実施となるもので、地域の交通利便性向上を目指しています。実施を担うのは、島根県出雲市に本社を置く株式会社バイタルリードです。
バイタルリードの背景とTAKUZOの特徴
バイタルリードは、これまで交通をテーマに様々なコンサルティング業務を行ってきました。特に地域公共交通の計画策定では、多くの実績を持っています。最近では、GIS(地理情報システム)を活用した交通利便性向上のためのシステム開発にも乗り出しており、今回のTAKUZO導入もその一環です。
TAKUZOは、一般的な都市型の配車サービスとは異なり、中小規模の地域での利用を想定したものです。長距離輸送ではなく、少数の台数を効率よく運用し、乗合率を高めることに重点を置いています。月額料金制により、居住者は何度でも利用しやすい運行モデルを推奨しています。このような構造は、地元交通事業者の経営を圧迫することなく、自治体の交通費用負担軽減にも寄与することが期待されています。
具体的なサービス内容
TAKUZOでは、月額3,000円から5,000円での乗り放題プランが用意されています。また、利用者は必要に応じて都度料金を選択することも可能です。タクシー事業者にとっては、空き時間を有効に活用することで新たな収益を得るチャンスになります。これにより、地域の交通が持続可能になるとともに、行政の負担軽減にもつながります。
実施期間は2025年10月から2026年3月までを予定しており、対象地域はかつらぎ町内の一部です。運行は平日の朝7時15分から夜7時30分までで、乗車予約は電話または専用のWebアプリから行うことができます。運賃は一般600円、月額3,000円(小学生以下は半額)と、ほぼどんなお財布にも優しい設計となっています。
かつらぎ町の魅力とTAKUZOの意義
かつらぎ町は、「フルーツ王国」として知られる自然豊かな地域です。春にはイチゴ、夏には桃やぶどうが楽しめ、季節ごとに異なる魅力が溢れています。また、世界遺産にも登録されている「紀伊山地の霊場と参詣道」があり、歴史的な背景も有力です。
こうした地域の特性を生かした交通サービスは、観光客の誘致や地域活性化に寄与する可能性があります。バイタルリードはTAKUZOを通じて、持続可能な公共交通モデルの構築を目指しており、これまでの経験と技術を元に新たな「交通×X(エックス)」の実現に貢献する方針です。
おわりに
TAKUZOは、ただの配車サービスではなく、かつらぎ町の未来を描く重要な一歩となるでしょう。この実証運行が成功すれば、他の地域へとその輪が広がることが期待されます。地域の、一緒に持続可能な発展を目指す皆様との連携により、より良い未来が創り出されることを願っています。
取材・詳しい情報については、株式会社バイタルリードまでお問い合わせください。