京都市における脱炭素ライフスタイルの実態
調査の背景と目的
京都市は、地球温暖化に対して持続可能なライフスタイルへの移行を目指しており、特に2050年には「将来の世代が夢を描ける豊かな京都」を実現するための取り組みを進めています。この取り組みの一環として、「京都発脱炭素ライフスタイル推進チーム~2050京創ミーティング~」が設立されました。この会は、脱炭素ライフスタイルの普及を目的とし、実際にどの程度このライフスタイルが実践されているか、またその障害となる要因は何かを明らかにするために、アンケート調査を実施しました。
アンケート調査の結果
この調査の結果、脱炭素ライフスタイルに対する関心が56%に対し、実践者は23%にとどまることが分かりました。また、関心を持つが実践していない人まで含めると58%になります。このことから、関心を持つ市民が多いものの、実践には至っていないことが伺えます。
特徴的な実践者の傾向
脱炭素ライフスタイルの実践者や関心を持つ層は、特に60代と学生層に多いことが確認されました。これは、時間的な余裕がある世代がより強い関心を示していることを示唆しています。このような傾向は、実践が生活の中で容易に取り入れられる環境にいるかどうかとも関係しているかもしれません。
実践されている行動とその意向
調査によると、最も多く実践されている行動は「外食で食べ残しゼロにする」で、66.7%が実践しています。他には、「衣服を長く着る」(61.7%)や「家庭で自炊をする」(61.4%)も高い数値を示しました。一方で、「食事の肉類を代替肉にする」の実践は最も低く、ここには大きなギャップがあることも指摘されています。特に「窓の断熱を行う」行動については、実践頻度が15.7%と低いものの、実践の意向は53.3%と高く、実行に移すための道筋が必要とされています。
障害となる要因の特定
脱炭素ライフスタイルの実践を阻害する原因には、「割高になる」「設備・サービスがない」という意見が多く見受けられました。これらの意見は、経済的な要因や制度の整備不足として表れています。このような障害を取り除くためには、効果的な施策やサービスの充実が求められます。
調査結果を踏まえて
京都市での持続的な脱炭素ライフスタイルの普及のためには、行動変容を促す施策が必須です。市民一人ひとりが自分のライフスタイルを見直し、簡単に脱炭素行動を取り入れることができるような環境を整えることが重要だと言えるでしょう。今後も、京創ミーティングを通じて、市民が自分なりの脱炭素型ライフスタイルへとシフトしていくサポートを続けていく予定です。
参考文献
調査の詳細
本調査は、京都市環境保全活動推進協会によるもので、インターネットリサーチを通じて行われました。調査対象は15〜69歳の男女で、2023年の3月17日から24日の間に実施され、有効回答数は1,000件です。調査にかかる費用は独立行政法人環境再生保全機構からの助成金によって賄われています。
京都市環境保全活動推進協会は、環境意識の普及や啓発を行い、持続可能な社会の実現を目指して活動している法人です。