有松中学校見学
2023-11-01 11:00:04
有松中学校の生徒が貼り箱とともにクリスマスを彩るプロジェクト
有松中学校の生徒たちが挑むものづくりのプロジェクト
愛知県名古屋市に所在する有松中学校の特別支援学級の生徒たちが、創業116年を誇る老舗の貼り箱メーカーである株式会社野村紙器の協力を得て、クリスマスギフトとしてのフラワーボックスの企画、製作、販売に挑戦します。このプロジェクトは、若者の「ものづくり離れ」が問題視される中で、次世代のものづくりの担い手としての意識を育むための取り組みです。
ものづくりの現状と新たな試み
経済産業省が発表した「2022年版ものづくり白書」では、製造業の就業者数が20年で157万人減少したことが報告されています。その中でも34歳以下の若者の割合は特に顕著で、121万人も減少しているという現実が浮き彫りになっています。この流れを変えるべく、野村紙器の営業企画部長である野村菜月氏は、将来のものづくりを担う子供たちに楽しさを体験してもらうために、有松中学校との連携をスタートしました。
特別授業で感じるものづくりの楽しさ
9月14日、野村氏と堀氏が有松中学校を訪れ、特別授業を実施しました。最初に、貼り箱の基本的な知識やロスフラワーを使った社会の課題について説明し、その後、生徒たちがドライフラワーに最適な箱の色を考えるセッションを行いました。
実際に貼り箱を作る実習では、生徒たちは初めての体験に戸惑いながらも、楽しさを感じている様子が伺えました。「こうやって箱を作るんだ!」と目を輝かせる姿が印象的でした。糊を使って紙を貼る作業は簡単ではありませんでしたが、全員一丸となって一つの作品を完成させる楽しさを実感しました。
商品製作と販売のプロセス
このプロジェクトは継続的な取り組みで、11月13日から17日にかけて、生徒たちが教室で100個のフラワーボックスを製作します。彼らの意見を取り入れて、青と黄色を基にした箱の材料は野村紙器が準備します。そして12月18日、「東別院 暮らしの朝市」にて、生徒たちが自らの手で製作した商品を販売することとなります。これは単なる販売活動に留まらず、自分たちが手がけたものを大勢の方に届けるという貴重な経験となります。
さらなる展開を目指して
野村紙器の野村菜月氏は、職人のなり手不足が深刻な現在、若者にものづくりの魅力を伝えていくことができるのは、とても嬉しいことだと語ります。今後はこのような取り組みを幅広い層へ広げ、企業や障害者施設とも連携し、ものづくりの楽しさを伝えていくことが目標です。
野村紙器の歴史と未来
明治40年に設立された野村紙器は、和菓子や小物を中心に化粧箱を製作し続けています。職人の手作業による製作は今も引き継がれ、貼り箱という脇役ながら、細やかな技術が詰まったプロダクトを提供しています。私たちの伝統を守りつつ、未来のものづくりを担う子どもたちの育成にも力を入れていきます。
これからの子どもたちの成長を温かく見守りながら、彼らが受け継いでいってくれることを願っています。
会社情報
- 会社名
-
株式会社野村紙器
- 住所
- 愛知県名古屋市中区千代田5丁目15番10号
- 電話番号
-
052-241-3311