コグニザントがTransCelerateと共同で治験プラットフォームを開発へ

米国ニュージャージー州ティーネックからのニュースによると、コグニザント(NASDAQ: CTSH)は、製薬業界での共同治験の進め方を根本から見直すために、TransCelerate BioPharma Inc.と協力して、業界初のサブスクリプションベースの治験者共有プラットフォームを開発することが決まりました。この新しいプラットフォームは、製薬企業19社が参加するTransCelerateの取り組みの一環で、医療機関と製薬会社が共通の環境で治験を行えるようにすることで、研究開発の効率化を図ります。

医薬品開発において、通常は各製薬会社が独自のプラットフォームを持っているため、医療機関は複数の異なるシステムを使わなければならず、その結果、複雑さが増し、リスクも大きくなります。しかし、このShared Investigator Platformを活用することで、治験に関する情報へのアクセスが集中管理され、研究者や医療機関の職員が必要なデータを迅速に入手できるようになります。

こうした効率化により、研究の立ち上がりまでの時間が短縮され、全体的な生産性が向上します。さらに、この新しいプラットフォームは、製薬企業が品質管理、法規制の順守、プロセスの可視化、生産能力の向上を図る手助けをするだけでなく、研究者が行うトレーニングや文書のやり取り、サポート業務の負担を軽減します。将来的には、このプラットフォームが効率的な電子監査や治験の洞察を監督機関にもたらす可能性もあります。

Eli Lilly & Co.の臨床開発情報および最適化担当シニアディレクターであり、TransCelerateのShared Investigator Platformの責任者でもあるJackie Kent氏は、「この治験作業は患者に革新的な新薬を迅速に提供するための重要なステップです」と語っています。さらに、Kent氏によれば、このプラットフォームが研究施設にとって時間とリソースを節約するものであり、その結果、研究およびデータの品質を向上させることが期待されています。

コグニザントのライフサイエンス部門担当バイスプレジデントであるBhaskar Sambasivan氏も、このプラットフォームの開発に対する熱意を表明しました。「革新的なテクノロジーに基づく協力体制を構築できることを嬉しく思います。このプラットフォームは、患者により良い医薬品を届けるだけでなく、医療機関における業務の効率化にも寄与します。」と述べています。治験のプロセスを合理化することで、TransCelerateに参加する企業は、医薬品開発のスピードを高めつつ、患者の健康を向上させる革新を推進することができると強調しています。

この新しい治験者共有プラットフォームは、今後ますますの発展が期待されており、コグニザントとTransCelerateは業界における根本的な変革を目指しています。また、プラットフォームの改善のために、エンドユーザーのフィードバックも積極的に求めていることが明らかになりました。

TransCelerate BioPharma Inc.は、全世界の人々の健康向上を目指す非営利組織であり、革新的な医療研究の迅速化及び簡素化を目指しています。設立当初から数多くの製薬企業が参加し、共同作業を通じて新薬の効率的かつ高品質な開発を促進するための活動を行っています。そのためのソリューションを特定し、設計していくことを使命として掲げています。

コグニザントのヘルスケア・ライフサイエンス部門は、ライフサイエンス企業とのパートナーシップを通じて、臨床試験の推進や業務改善を図り、ヘルスケアの課題に対するソリューションを提供しています。業界内での存在感を高める中、コグニザントは、ヘルスケア分野において高い評価を受けており、今後も業界をリードしていくことが期待されています。