「こども性暴力防止法」成立、メディアの役割とは? 川上和久教授が解説
「こども性暴力防止法」成立、メディアの役割とは?
2024年通常国会で成立した「こども性暴力防止法」。この法律の根幹をなすのが、「日本版DBS」と呼ばれる仕組みだ。
「DBS」とは、英国で2012年に導入された「Disclosure and Barring Service」の略称で、日本語では「前歴開示・前歴者就業制限機構」と訳される。この制度は、学校や保育所など子供に関わる職業や活動を希望する人が、犯罪歴の照会を受けることを義務付けている。
日本でも近年、教育現場における性犯罪が相次いで発生しており、社会的な問題として注目を集めている。こうした状況を受け、「日本版DBS」の導入は待望されていたと言えるだろう。
しかし、この制度導入には様々な課題も存在する。例えば、犯罪歴の開示期間や対象となる犯罪の範囲、個人情報保護の問題など、議論の余地は多い。
メディアは、この新しい法律の成立をどのように報じ、国民に理解を深めていくのか。そして、これから起こりうる課題をどのように見抜き、社会に警鐘を鳴らすのか。メディアの役割は非常に重要であると言えるだろう。
メディアはモニタリングを行い、課題の洗い出しを
麗澤大学教授の川上和久氏は、メディアに対して、この法律の施行後も継続的な監視と問題点の指摘を続けることの重要性を強調する。
「この法律は、子供たちの安全を守るための重要な一歩ですが、同時に、個人の権利やプライバシーの問題、制度の運用方法など、様々な課題を抱えています。メディアは、これらの課題を冷静に分析し、社会に情報提供を行う必要があります。また、法律の運用状況を監視し、問題点が浮上した際には、積極的に報道することで、より良い制度へと改善していくための役割を果たす必要があります。」
川上教授は、メディアが社会全体の監視役として、この法律の施行後も積極的に情報を発信し、社会全体で課題解決を目指していくことの重要性を訴えている。
メディアの責任は重い
「こども性暴力防止法」は、子供たちの安全を守るために不可欠な法律だ。しかし、同時に、この法律の運用には、多くの課題が潜んでいる。メディアは、この新しい法律が、本来の目的である子供たちの安全を守るために、適切に機能していくよう、監視と情報発信を継続していくことが求められる。
メディアは、この法律の施行によって起こりうる問題点や課題を、社会全体で共有し、より良い社会の実現に向けて、積極的に役割を果たす必要があるだろう。