アクリル樹脂のリサイクル
2021-05-24 11:30:16
三菱ケミカルとの共同で実現するアクリル樹脂の革新的リサイクル技術
マイクロ波を活用したアクリル樹脂のリサイクル
近年、環境問題への関心が高まる中で、リサイクル技術の革新が求められています。その中で注目されているのが、三菱ケミカル株式会社との共同プロジェクトにより進行中のアクリル樹脂のリサイクル技術です。このプロジェクトでは、マイクロ波を利用した画期的な化学リサイクル技術の実証を目指しています。
アクリル樹脂は、その透明性や耐光性から、自動車のランプカバーや看板、さらには水族館の水槽など、多岐にわたる用途で利用されています。その世界需要は300万トンを超え、特に最近では感染症対策のための飛沫防止用のアクリル樹脂板の需要も急増しています。これに伴い、アクリル樹脂の持続可能なリサイクル方法が求められているのです。
マイクロ波を利用した新たなプロセス
今回のプロジェクトでは、当社の大阪事業所内に設置される実証プラントにおいて、アクリル樹脂分解に必要なエネルギー源として電気由来のマイクロ波技術を取り入れます。従来法に比べ、小型化や安全性の向上、省エネルギーなど数多くのメリットがあります。これにより、効率的で環境に優しいリサイクルが実現できる見込みです。
具体的には、三菱ケミカル株式会社およびその関連企業と協力し、2021年6月を目標に実証設備を建設します。2024年には本格稼働を目指しており、リサイクル技術の商業化に向けた準備が進められています。
環境負荷の低減に向けた取り組み
このリサイクルプロセスによって製造されるメチルメタクリレート(MMA)や再生アクリル樹脂は、従来品と同等の性能を維持しつつ、二酸化炭素排出量を従来の石化資源を原料とした製品と比べて70%以上削減できると予測されています。この数値は環境に配慮した企業活動の重要性を示すものであり、カーボンニュートラルの達成に大いに寄与することでしょう。
マイクロ波技術の可能性
マイクロ波は電磁波を用いた技術であり、選択的に物質を加熱することができる特性があります。この技術は、家庭用電子レンジのように便利でありながら、再生可能エネルギーの利用によるCO2排出の削減効果も期待できます。マイクロ波化学株式会社は、この技術を利用してさまざまな分野での製造プロセスの効率化や新素材の開発にも取り組んでおり、幅広い業界と連携しています。
このように、マイクロ波技術はアクリル樹脂リサイクルに革新をもたらすだけでなく、環境への負荷を軽減するための重要な手段と位置づけられています。今後の展開が期待されます。
会社情報
- 会社名
-
マイクロ波化学株式会社
- 住所
- 大阪府吹田市山田丘2-1フォトニクスセンター5階
- 電話番号
-
06-6170-7595