ウィーズが進める親子交流支援の無償化
特定非営利活動法人ウィーズは、2025年10月から親子交流支援にかかる全ての料金を無償化すると発表しました。この取り組みは、両親の別居や離婚を経験するこどもたちがより安心して親と交流できる環境を整えるためのものです。
背景
2024年5月、親子交流や養育に関する父母の責任を明確にする民法改正が成立し、これが重要な転機となります。2012年の改正以降、ペアレントに対してより強い責任が求められるようになりましたが、当事者間でのコミュニケーションが円滑でない場合、第三者機関がその間に立って安全な交流を保つ役割を担っています。
従来、この支援はボランティアに依存しており、数多くの親たちがその費用を巡って対立する場面もありました。このため、ウィーズは2019年に一部支援料金を無料にしましたが、今回の改定ではさらに前進し、すべての親子に対して実費以外の負担が無くなる改定を行うことに決定しました。
改定の具体的な内容
今後は親子交流に必要な費用が実費のみとなります。この実費には、付き添いスタッフの施設入館料や、父母間の受け渡しを行うスタッフの交通費、保険料(1回200円)などが含まれます。但し、ウィーズ指定の場所での受け渡しの場合、追加費用は不必要です。
ウィーズの歴史と取り組み
ウィーズは2016年に設立以来、「親子交流はこどもの権利である」という理念のもと支援活動を行ってきました。これまでに実施した支援件数は2,749件に上り、こどもたちが親に会いたい・会いたくないという気持ちに寄り添いながら、付き添いや送迎、交流調整を行っています。また、児童の権利に関する条約の第18条に記されているように、親の責任を果たすための社会造成を目指しています。
独自の「情緒的離婚」支援
ウィーズでは、ただの「物理的離婚」ではなく、両親が持続的な対立を解消し、こどもに最適な環境を提供する「情緒的離婚」の実現を目指しています。このための支援員は、これまでに100名以上が養成されており、彼らはこどもたちの感情を理解し、適切な支援を行っています。その結果、自己肯定感が高まり、親子の絆が深まる効果があることが示されています。
今後の展望
こどもたちの権利を守る社会の構築は、日本における急務です。ウィーズは今回の料金無償化を起点に、共同親権制度導入後の実績を積み重ねることを目指しています。そして、すべてのこどもが自身らしいこども時代を過ごすことができるように、今後も支援員の育成や社会への情報発信を続けていきます。
ウィーズの活動は、ボランティアや寄付によって支えられています。より多くの方々の協力を得て、親子交流を必要としている子どもたちに対する支援を推進してまいります。これにより、より良い社会の実現に向けて力を入れていきます。