TXP Medicalが推進する重症患者への新たな栄養療法研究の展望

2025年10月1日、TXP Medical株式会社が慶應義塾大学病院主幹で実施される「重症患者における至適静脈栄養開始時期とタンパク質投与経路の何か」という画期的な多施設共同非盲検ランダム化比較試験のために、電子データキャプチャ（EDC）システムを構築し、運用を開始しました。この研究は、急性期重症患者における適切な栄養療法のタイミングや内容、そして補助栄養の在り方について未解決の課題を解明することを目指しています。研究は日本集中治療医学会のガイドラインにおける重要なテーマである「早期経腸栄養可能な患者への高タンパク投与経路」と「経腸栄養が難しい患者に対する経静脈栄養の早期開始」の論点を取り上げています。

本研究は、複数の施設が協力して行うアンブレラ型研究として設計されており、一つの疾患領域に対して複数の介入を同時に検証することで、効率的かつ多面的にその効果を評価することが可能です。TXP Medicalは、この構造に適合したEDCを開発し、データ収集と解析の精度を向上させるサポートを行っています。

全国25施設が参加するこの試験では、患者の栄養療法開始の可否を基に層別化されます。症例は、研究組入れ後48時間以内に経腸栄養が開始されるかどうかによって分類され、医療経過や有害事象は割付から1週間、14日目、28日目、90日目まで継続的に解析されます。

このプロジェクトを通じて解決されるであろう未解決課題は、急性期における栄養療法の重要性を再認識させ、最終的には個々の患者に合わせた「テーラーメイド型急性期栄養療法」の確立を目指しています。TXP Medicalは、現場発の技術とデータ基盤を用いて、臨床研究の質向上や医療現場の課題解決に貢献する意向を示しています。

慶應義塾大学医学部の山元良専任講師は、急性期栄養療法のガイドライン作成過程の重要な未解決課題に焦点を当てた風に、本研究の意義を強調しています。重症疾患からの回復を図るために、「栄養」という基本的なニーズに取り組むことで、全国の医療機関が協力して臨床研究を進めて行くことが求められるのです。

TXP Medicalの代表取締役である園生智弘氏は、急性期医療現場における介入の重要性を強調し、「栄養療法」のエビデンスに基づく構築が必要だと述べています。また、データ入力支援技術と臨床研究への理解を活かし、診療や患者のアウトカムに還元される仕組みを整えることを目指しています。

TXP Medicalが開発したEDCシステムは、臨床試験においてデータの記録や症例登録をオンラインで行える介入支援ツールです。流通性のある設計により、迅速なカスタム開発を可能にし、コスト、柔軟性、スピードの全てにおいて優れた特性を持っています。また、電子カルテと連携し、症例の自動登録機能を2024年から搭載することで、データ集積の効率化にも寄与する予定です。

TXP Medical株式会社は、急性期医療のデータプラットフォームを通じて、「医療データで命を救う」ことをビジョンとし、全国の医療機関との連携を深めながら、重要な臨床研究を支援しています。この取り組みが、今後の急性期医療の発展に繋がることが期待されています。