神戸市におけるDXの進展
トランスコスモスは、神戸市の総合窓口「神戸市お問い合わせセンター」へ自社のDXプラットフォーム「trans-DX」を導入しました。この試みは、市民サービスの質を高めつつ、職員の業務負担を軽減させることを目指しています。年間150万件以上の市民からの問い合わせに対応するため、Web、チャット、コールを統合し、これまでにない自己解決が促進される環境が実現しました。この構想により、市民とともによりスムーズな情報交換が可能となりました。
導入の背景
神戸市は多くの市民からの問い合わせを受けており、年間200万件を超える入電数に職員が応対する中で、本来の業務に時間を取られるという問題に直面しています。この問題を解決するため、神戸市は平成23年度から「総合コールセンター」を設け、業務委託やウェブサイトの改修などを行ってきました。しかし、依然として電話による問い合わせが多数を占め、職員や外部業者にとって多大な負担となっていました。市民からも電話以外の問い合わせ方法を希望する声が多く寄せられていました。
「trans-DX」導入による変化
トランスコスモスが提供する「trans-DX」は、市民の利便性を大幅に向上させる内容です。このプラットフォームの導入にあたり、トランスコスモスの専門コンサルティングチームが神戸市職員と協力し、一体となって業務を見直し、従来のオペレーションの再設計を進めています。以下に、主な施策を紹介します。
1. Webのユーザビリティと解決率の向上
特にウェブページのコンテンツとFAQの強化が図られ、新しいページが市民の目線に基づき作成されています。これにより、質問への迅速な回答が可能となり、自己解決を促進しています。
2. 情報発信の見直し
市民への情報発信手段を見直し、職員と連携する窓口を設け、文書改良推進活動も開始しました。イベントや制度改正に関する情報をウェブ上で効率的に公開し、電話の問い合わせを削減しています。
3. 多様な問い合わせ手段の拡充
電話だけに頼らない問い合わせ手段として、ハイブリッドチャット機能が強化されました。特に、チャットボットが解決できないケースでは有人チャットがサポートします。さらに、夜間や混雑時には折り返し電話予約も可能にすることで、利用者の不安を解消しています。
4. 素早い問題解決を実現
AIによるオペレーターアシスト機能が導入され、音声認識や生成AIを駆使した要約機能などで、市民からのお問い合わせに迅速に対応できるようになりました。このシステムにより、市民からの声を集約しつつ、継続的な改善も進行しています。
今後の展望
トランスコスモスは今後も「trans-DX」を通じて、より自己解決しやすい環境を整え、市民の利便性を向上させていく方針です。神戸市そして市民のWell-beingを最大限に高める役割を果たし、コンタクトセンターの新たなあり方を模索していきます。また、トランスコスモス自体は、1966年の創立以来、「人」と「技術」の融合によって価値の高いサービスを提供し続けています。このような取り組みを通じて、世界中のお客様企業の競争力強化に寄与しています。今後もデジタル技術を活用しながらお客様企業の変革を支援し、Global Digital Transformation Partnerとしての役割を果たしていくことを目指しています。