TOPPANが開発する木目感性評価システム「MOKUMETRIX™」
TOPPAN株式会社は、人工知能を駆使した新たな木目評価システム「MOKUMETRIX™」を発表しました。このシステムは、木目が持つ感性を定量的に評価し、建築・デザインの現場での効率を大幅に向上させることを目的としています。2025年1月14日から、建築デザイナーや商品開発のマーケターを対象に提供をスタートします。
1. MOKUMETRIX™の背景と目的
国内外での木目製品の需要が増している中で、TOPPANは新たな課題解決に着手しました。従来、木目の選定はデザイン者の主観に頼る部分が大きく、ターゲットや用途によって最適な選択を行うためには高い専門性が求められていました。それに応じて、木目が与える印象を評価するための数値化手法が重視されてきました。
TOPPANの新たなシステムは、約2,000パターンの木目画像から集めた3万件以上のデータを基に、木目に対する感性評価を行います。これにより、デザイン業務をデータ駆動型に変革し、建築関係者が効率的に作業できるようになります。さらに、商品の開発段階において市場評価を簡易に推測できるため、研究や開発の現場においても貢献が期待されています。
2. MOKUMETRIX™の特徴
このシステムの特筆すべき点は、木目の印象を6つの分類に分けて表示できることです。「スタンダード」「スタイリッシュ」「上質」「高級」「自然」「やさしさ」といった感性グループで分かれています。これにより、特定の木目の特徴を一目で把握することができ、デザイン選定を迅速に行えます。また、15の感性評価項目と16の木目特徴量を数値化し、デザイン調整の指標としても役立てられます。
加えて、年代や性別、経験値(プロ、一般人)によって、評価の選択肢を変えることができるため、ターゲットに応じた柔軟なデザイン選定が可能になります。
3. 実用性と今後の展望
TOPPANは、本システムを駆使して空間デザインやその他のコンサルティング事業を拡大させ、2027年までに関連受注を含めた売上高を15億円にする目標を掲げています。「expace(エクスペース)」という新しいビジョンの下で、ウェルビーイングな空間づくりをさらに進めます。
この取り組みは、デザイン業界に革命をもたらす可能性を秘めており、TOPPANの木目感性評価プログラムが今後のデザインのスタンダードになる日も遠くないでしょう。詳細は
こちらのURLから確認できます。
まとめ
TOPPANが開発した「MOKUMETRIX™」は、木目コンテンツの多様性とデザインの可能性を広げるシステムです。今後もデザイン業界の変革を促進し、より良い生活空間の創出に寄与していくことが期待されます。