余命を宣告されたALS患者の希望、特別な夫婦旅行の実現
栃木県那須塩原市に位置するなすの在宅生活支援センターは、余命を宣告されたALS患者夫婦の2度目の旅行を支援する取り組みを行っています。このセンターは、訪問看護サービスや訪問入浴サービスを提供し、地域に密着したサポートを展開しています。
特別な思い出をつくるために
令和2年5月、ある患者が余命宣告を受けた際、センター内のスタッフは「最期の思い出を作りたい」との気持ちから、家族との協力を通じて彼らの旅行計画を立てました。寝たきり状態にあった彼は、主治医やホテル、さらには人工呼吸器メーカーの協力も得て、2020年8月に記念すべき旅行を実現しました。この旅行で、少しでも心の平穏や喜びを感じてほしいとの思いが込められていました。
その後、患者は「また行きたい」という希望を持つようになり、この度、身体の状態も安定を保つことができ、今月21日から2回目の旅行が行われる運びとなりました。旅行を通じて、ALSという病に向き合い続ける彼らにとって、特別な時間となることでしょう。
希望と支援の重要性
なすの訪問看護ステーションの管理者によると、終末期を迎えた患者が希望を見つけることは容易ではありません。恐怖や不安の感情が入り混じり、どうしても先が見えない状況となります。このような重い心情を抱える患者やその家族に対して、彼らは全力で支援に取り組んでいると語ります。
しかし、制度の不備や周囲の理解が追いついていない現状もあると指摘します。生活する権利を確保し、住み慣れた地域でいつまでも生活を続けられるよう、今後もさまざまな人々への支援を続けていきたいと述べています。
なすの在宅生活支援センターの取り組み
このセンターは、One-or-Eight合同会社が運営しており、併設されている事業所には訪問看護ステーションやケアプランセンター、訪問入浴介護ステーションがあります。これらのサービスを通じて、ALS患者を含む様々なニーズに応えています。詳細は
センターのウェブサイトをご覧ください。
終わりに
旅行を通じて、患者夫婦に心の平安と特別な思い出を提供するこの取り組みは、支援が如何に人々の生活に影響を与えるかを示す貴重な事例です。孤独を感じやすい終末期の患者やその家族に光を与える存在として、今後もなすの在宅生活支援センターの活動に注目が集まることでしょう。