EYが監査プロセスにAIを導入
EY(アーンスト・アンド・ヤング)は、今後4年間で10億米ドルを投資し、自社のアシュアランス・テクノロジー・プラットフォームにAIを統合することを発表しました。この取り組みは、監査プロセスの徹底的な革新を目指すものであり、160,000を超える監査エンゲージメントをサポートします。
EYが進めるこのプロジェクトは、業界におけるAIの可能性を最大限に引き出すことを目的としており、監査スタッフと企業双方にとっての体験を変革します。データ駆動型の視点から、リスクを早期に検出し、関連するインサイトを提供することで、監査の質を向上させることが期待されています。
新機能の紹介
新たに導入される「EYQ Assurance Knowledge」は、生成AIを活用して会計基準や監査メソドロジーの要点を検索し、要約する機能です。この機能により、EYのアシュアランス専門家は、監査対象企業の地理、業界、複雑性に基づいた適切な回答を得ることが可能になります。これにより、業務の効率化が図られます。
さらに、「EY Intelligent Checklists with AI」機能も新たに発表されました。この機能は、開示チェックリストに対する推奨回答を提示し、監査チームの法的要件への対応を支援します。また、「EY Financial Statement Tie Out」機能は、財務諸表の正確性と完全性を確保するために重要な役割を果たします。
EYの責任あるAIの原則
新たなAI機能は、「Responsible AI」の9つの原則と「EY AI アシュアランスフレームワーク」に基づいて設計されています。この取り組みにより、ユーザーは信頼できる情報源にアクセスでき、さらに透明性を担保することが可能になります。
EYは、テクノロジーとサービスへの投資を次の段階に進めるための基盤を整えつつ、これまでに100以上の機能をリリースしています。この革新により、監査業務に必要なデジタル変革を加速し、EYの専門家がクライアントの未来をしっかりと支えられるようになることが期待されています。
リーダーのコメント
EY Global Assurance Digital LeaderのMarc Jeschonneck氏は、「私たちは、10億米ドル規模の投資を通じてAIを監査プロセスの中心に据えています。このことにより、専門家が未来を自信を持って形作ることができるようになるでしょう」と述べています。
また、EY Global Assurance Innovation & Emerging Technology LeaderのPaul Goodhew氏も、「新たに導入される機能は、生成AIおよびAIエージェントを活用した一歩であり、EYが目指す真の信頼されたAIアシュアランスサービスの実現へ向かう基盤となります」と強調しています。
このようにEYの提案は、ただの技術導入にとどまらず、今後の監査業務に大きな影響を与えることとなるでしょう。EYは、次世代のデジタル監査に向けた取り組みをさらに深化させ、業界の中でのリーダーシップを発揮することを目指しています。
EYは、グローバルなネットワークを持つ監査法人であり、150カ国以上でさまざまなサポートを提供しています。デジタル化やAIを駆使したサービスの展開により、より良い社会の実現を目指しています。