マウザーとonsemiの新eBookが示すSiCの可能性
2023年、Mouser Electronics(マウザー・エレクトロニクス)がonsemiと協力し、パワーシステム設計におけるシリコンカーバイド(SiC)半導体の利用に関するeBook『Enabling a Sustainable Future with Silicon Carbide Power Electronics』を公開しました。このeBookは、SiC半導体の多くの利点、特に電気自動車(EV)や再生可能エネルギー分野における利用方法について詳しく説明しています。
SiC半導体の革新
SiCパワーデバイスは、エネルギー効率が高く、コンパクトで持続可能な電力システムの構築を可能にします。その優れた材料特性が、パワーエレクトロニクスの世界に革命をもたらしました。eBookでは、SiCの特性やその応用、さらに適切なSiCパートナーの選定が重要である理由が述べられています。onsemiは、信頼できるパワーソリューションの提供者として、高品質のSiCデバイスと包括的な設計サポートを展開し、設計者を支援しています。
具体的な製品とその用途
このeBookには、実際の製品例も記載されています。たとえば、NTBG014N120M3Pは、1200Vに対応したM3PシリーズのSiC MOSFETで、太陽光発電のインバータやEV充電ステーション、さらにはエネルギー貯蔵システムといったアプリケーションに適しています。このデバイスのプレーナ技術は、負のゲート電圧での安定した動作を実現し、スイッチのスパイクを抑える効果があります。
さらに、NVBG1000N170M1という1700V対応のSiC MOSFETもあり、これは電気自動車やハイブリッド車向けに設計されています。SiCデバイスの利用により、非常にコンパクトで軽量な電力ソリューションを実現でき、エネルギー効率を向上させることが可能です。
ゲートドライバの設計
もうひとつの重要な要素は、NCP51705ゲートドライバです。これは、SiC MOSFETトランジスタの駆動を目的として設計されており、導通損失を最小限に抑えつつ高いピーク電流を供給し、スイッチング損失を低減します。および、NCP51560というデュアルチャネルゲートドライバも、SiC MOSFETパワースイッチを駆動するために設計されており、2つの独立したドライバチャンネルを備えています。このような先進的な設計により、効率的なスイッチングが可能になります。
結論
eBook『Enabling a Sustainable Future with Silicon Carbide Power Electronics』は、SiC技術の将来性を示し、持続可能な社会の実現に向けた重要な知見を提供します。SiCの利点や最適なデバイスの選び方、さらには具体的なアプリケーションについて詳しい理解を得られる貴重な資料です。
このeBookは、以下のリンクから閲覧可能です。
SiC Power Electronics eBook
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