AIにおける性格診断の可能性と限界
最近、株式会社ウォーカーが運営する「性格診断ラボ」は、主要なAIモデル12種類に独自の性格診断を実施しました。この調査は、各モデルに対して20回の性格診断を行い、合計240回の試行を通じて得られたデータを基にしています。本記事では、この調査結果を詳しく見ていきましょう。
調査概要
本調査は、Anthropic、OpenAI、Googleなどの主要なAIモデルに対して行われました。調査方法は、48問からなる性格診断を各AIモデルに20回ずつ実施し、その結果を集計するというものでした。最も驚くべき結果は、16タイプの性格のうち9タイプが240回の試行を通して一度も現れなかったことです。一体、どのような性格タイプが出現し、どのタイプが消えたのでしょうか。
出現タイプと隠れたタイプ
調査結果によると、出現したのは7タイプのみ。具体的には、ENTP、INTP、ENFJ、INTJ、ISTP、INFJ、ENTJが認識されました。しかし、残りの9タイプ、すなわちISTJ、ISFJ、ISFP、INFP、ESTP、ESFP、ENFP、ESTJ、ESFJは一度も名称を挙げることがありませんでした。特に、出なかったタイプの7つは「感覚(S)」を含むタイプであり、これはAIが感覚的な情報を理解しづらいことを示唆しています。実際、感覚に関連する2つの心理機能(SeとSi)は、統計的にも他の機能に比べて大きく劣っている結果となりました。
一貫性のばらつき
興味深いことに、AIモデルの中には、一貫性が高いものと低いものが存在しました。例えば、Claude Opus 5は全ての診断で同じ結果のENTPを示し、一貫性100%を記録しました。一方で、GPT-5.4 miniは多様な結果を示し、一貫性の割合が25%にとどまりました。このように、モデル間での一貫性は大きな差が見られることから、モデルのサイズだけでは結果を説明できないことも浮かび上がります。
調査の意義と限界
本調査の結果は、AIが人格を持つか否かを示すものではなく、主に応答の偏りの一貫性を測ることを目的としています。また、性格診断ラボでは、16タイプを「人を決めつける道具」としてではなく、各人が持つ多様性を理解するための手段として位置付けています。
データ公開
結果の透明性を確保するため、性格診断ラボは240試行の生データをウェブサイト上に公開しています。これにより、第三者が結果の検証や分析を行うことができるようになっています。特に2026年8月22日以降に測定された5つのモデルについては、設問ごとの平均回答も公開されています。今後もモデルが更新されるたびに、新たな結果が加わることになるでしょう。
まとめ
この調査は、AI技術の限界や可能性を探るための貴重なデータとなりました。AIによる性格診断がどのように機能し、どこに課題があるのかを理解するうえで、今回の調査結果は重要な情報を提供しています。性格診断ラボでは、今後もこのような研究を継続し、より深い理解を目指していくとのことです。興味のある方は、ぜひ調査結果や関連情報を確認してみてください。