海からの新たな贈り物「フレーバーオイスター」
近年、国内の水産業、特に牡蠣の生産者はさまざまな厳しい状況に直面しています。輸入品の増加や価格低下、さらには環境問題による生産不調が影響を及ぼしており、今年初頭からは新型コロナウイルスの影響で消費量も大幅に減少。牡蠣業界は厳しい状況にあります。しかし、その中でも新たに注目を集めるのが、「フレーバーオイスター」という新しい牡蠣の形です。
この「フレーバーオイスター」の特徴は、牡蠣に特定の風味を持つ健康素材を取り込み、風味豊かで栄養価が高い牡蠣を生み出すことにあります。牡蠣は元々、ビタミンやミネラル、タウリンなどを豊富に含んでおり、健康に寄与する食品として知られています。しかし、近年の健康志向の高まりとともに、その重要性が再認識されています。そこで、うみの株式会社、FARM8、津南醸造、日本粉末薬品といった企業が共同で、この新しい牡蠣作りに取り組みました。
「フレーバーオイスター」は、牡蠣が誤って摂食してしまう非水溶性の微粉末を与えることで作られます。このプロセスにより、周囲の飼育環境の中で、様々な素材の風味が牡蠣の中に閉じ込められ、消費者の手に渡るまでその風味が楽しめるのです。この技術により、すでに20種類以上の素材を取り込むことが確認され、特に殻付き生ガキとして食べるのに適しています。
今後、牡蠣生産者はSNSやクラウドファンディングといったインターネットサービスを活用し、消費者に直接届ける試みを始めています。「フレーバーオイスター」の提供は、こうした新しい流通や消費スタイルを提案し、牡蠣産業の未来を明るくすることが期待されています。
うみの株式会社について
うみの株式会社は、「人と海を科学で豊かにする」を基本に、水産用種苗の製造販売や海洋関連商品の開発を行っています。彼らの目指すところは、科学と地域のつながりを深めることで、持続可能な水産業の発展を促進することです。
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FARM8株式会社について
FARM8は、「地域を食べる」をテーマとし、地域と消費者をつなげるソリューション型の食品開発を行っています。地域の農産物を使用した商品を通じて、地域経済の活性化に貢献しています。
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津南醸造株式会社について
津南醸造は地元農家と協力し、津南町で栽培された酒米を使った日本酒の製造を行っています。小規模な酒蔵での手法は、地域の特産品を大切にする姿勢が見え隠れします。
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日本粉末薬品株式会社について
日本粉末薬品は、健康食品や化粧品素材を扱い、機能性天然素材のパイオニアとして知られています。自然素材を用いた製品開発は、健康を意識する現代において非常に重要です。
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「フレーバーオイスター」は、養殖牡蠣に新たな価値を加え、健康と楽しみを同時に提供する画期的な取り組みです。今後の展開に期待が寄せられます。