臨床組織科学における新たな理論的発展
近年、株式会社DroRが発表した論文は、臨床組織科学(COS)とFeldman & Pentlandの組織ルーチン理論との接続に焦点を当てています。この理論は、個人の習慣がいかにして組織変革に寄与するかを探求するものであり、組織の内部での見えない相互作用を考察する新たなフレームワークを提供します。その中で、COSは従来の理論にどのように接続し、また新たな視点を提供するのかを解説していきます。
臨床組織科学(COS)とは
臨床組織科学(Clinical Organizational Science, COS)は、複雑系科学、神経科学、組織心理学そして行動科学を包括した理論フレームワークです。このフレームワークでは、組織の安定性を保ちながらも変革を促す相互作用構造が扱われ、具体的な介入方法としてField Gradient TheoryやLoop Conversion Design、Neural Base Designが提唱されています。特に、COSは「個人の行動変容」よりも「組織アトラクターの遷移」に焦点を当て、これを支える理論的基盤としてemergence bridgeを提示しています。
組織ルーチン理論の考察
Feldman & Pentlandの理論において、組織のルーチンは固定された手順に基づくものではなく、日常的な反復的相互作用によって生まれる動的なパターンとして理解されます。この視点から、組織の安定性はただの文書化されたルールだけでは成立せず、実際のコミュニケーションやフィードバックのプロセスが中核となっています。COSはこの洞察を更に発展させ、個人レベルの行動変化が組織全体にどのような影響を及ぼすかを考察します。
emergence bridgeの重要性
COSの中心概念であるemergence bridgeは、個人と組織を繋ぐ理論的メカニズムです。この橋は単なる加算的な効果を超え、個々の習慣がどのように相互作用し、最終的に組織のルーチンに影響を与えるかというより複雑な関係性を表現します。
具体的には、利用可能なサンプル(例えば、会議での発言パターンやフィードバックの流れ)を通じて、組織ルーチンの変化を定量的に評価し、新たな組織アトラクターへの遷移を可能にする原動力と考織しています。
COSの3層構造
COSの理論は、個人、相互作用、組織の3層からなる構造を持っています。
1.
個人レベル:習慣化された行動(感謝の共有、確認応答など)
2.
相互作用レベル:会議等でのリーダーシップと応答のパターン
3.
組織レベル:これらの相互作用が新しい組織のルーチンとアトラクターを形成する過程
この3層を通じて、COSは個人の行動変容と組織の構造変化の間に横たわるギャップを埋める試みを行っています。
実践的な介入手法
COSは、Feldman & Pentlandの理論に基づき、組織ルーチンを変えるための具体的な介入方法を示します。この理論は、例えば、Neural Base Designを用いて個人の相互作用における行動を変えることで、組織全体のルーチンを見直すことが可能となります。
代表取締役のコメント
株式会社DroRの代表、山中真琴は、「毎日の小さな相互作用が組織を形作る力強さを実感します。COSのemergence bridgeは、個人の習慣がどのように組織に変化をもたらすかを解明するための重要な仮説であり、さらなる実証研究が必要です」と語っています。
次のステップ
本論文は、COSを既存の理論とつなぎ、新たな理解を提供することを目指します。次回は、COSとLewinの場の理論との関連についてお話しする予定です。今後の研究の進展にぜひご注目ください。
企業情報
株式会社DroRは、東京都渋谷区に本社を構え、臨床組織科学を基盤とした組織改革を提供する企業であり、心理学領域での新たな研究をリードしています。詳しくは
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