クジラの睡眠の秘密
2025-10-07 11:46:28

東京農業大学が明らかにしたクジラの睡眠の新たなヒント

クジラの睡眠行動:新たな研究結果



東京農業大学大学院の青田幸大さんとその研究チームが発表した論文は、クジラの睡眠行動に関する画期的な知見を提供しています。この研究は、既存の知識を覆すものといえ、鯨類がどのようにして厳しい海の環境で眠りを取るのかに新たな視点をもたらします。

研究の背景と目的


鯨類は大海原を泳ぎながら生活する生物であるため、睡眠スタイルには特異な戦略が必要とされます。これまでの研究では、クジラの睡眠は「静止型睡眠」と「遊泳型睡眠」に分けられることが知られていましたが、これを実際にどう使い分けているかについては、十分に解明されていませんでした。そこで本研究では、体の大きさと水温が睡眠行動に与える影響を検証することが目的とされました。

研究の成果


研究グループは、体重が100kgから10,000kgに及ぶ10種類の飼育下の鯨類を対象に、具体的な睡眠行動を観察しました。その結果、以下のことが明らかになったのです。

  • - 体が大きいほど静止型睡眠が多い:大型のクジラは静止することで体温を維持しやすいため、静止型睡眠を選択する傾向がある。
  • - 環境温度による影響:ブランチのバンドウイルカを調査したところ、低水温の環境では遊泳型睡眠が増え、高水温では静止型睡眠が増加することが確認された。

これらの結果は、クジラがどのように睡眠を取るかについての新たな理解を提供しており、特に体温の維持が睡眠のスタイル選択において重要であることを示唆しています。研究者は、体格が小さくなるほど熱を失いやすく、動きながら眠ることで体温を保つ必要があると考えています。

気候変動との関連性


関口教授は、この研究結果が気候変動による海水温の上昇とどのように関連するかについても言及しました。近年、海水温が上昇していることが確認されており、この変化がクジラの睡眠行動に将来的にどのような影響を与えるかを考える上で重要な知見となるでしょう。特に、低温が続くことで大型のクジラが静止型睡眠を増やせる可能性があり、これが船舶との衝突リスクを高める要因となることが懸念されています。

また、関口教授は「このような研究を通じて、クジラ類がどのような適応行動を見せるかを解明していくことが重要だ」とする一方、海洋環境が変化する中で彼らの行動がどのように適応していくのか、その未来を見守る重要性も訴えました。

研究の意義


この研究は、鯨類の睡眠が単なる休息ではなく、体温保持のための戦略であることを示しています。海洋で生きる生物にとって、睡眠行動が生命維持に関わることを理解することは、今後の環境保護や生態系の保全にも大きな意味を持つでしょう。クジラが健やかに生き延びるための新たな科学的基盤を提供する本研究に、今後さらなる注目が集まることが期待されます。

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